「ヒアゼア」

僕らのジャズバンドで
「ヒアゼア」と呼んでいる
美しい楽曲がある。
そう、ビートルズの
「Here There and Everywhere」。
この曲を皆で演奏している。

「revolver」に収められた一曲。
レノン=マッカートニー名義だが、
ポールが作った曲である。
ジョンの目覚めを待っていたとき
プールサイドのサンチェアに座り、
ギターを鳴らしてできあがった。

愛する人への思いが詰まった曲。
「僕には君が必要なんだ。
ここでも、そこでも、どこでも」
「Here There and Everywhere」は
とてもロマンティックな
ラヴバラードなのである。

このラヴバラードがビッグバンドで
演奏されるのを不思議に思ったが、
カウント・ベーシーがアレンジ、
ベーシー楽団が演奏していた。
ゆっくりで一見やさしく思うが、
やってみると合わせるのが難しい。

僕はこの「ヒアゼア」を
いちアルトサックスとして
愛を歌うように思い切り
感情を込めて吹いている。
「ここでも、そこでも、どこでも、
君を愛しているよ」と。