髑髏

ボクは髑髏がこわい。
ドクロ、頭蓋骨。
おどろおどろしい。
ところが最近、
頭蓋骨の絵をよく見る。

中村彝が死ぬ前
「頭蓋骨を持てる自画像」
という絵を描いている。
結核で痩せた中村が自分の
顔のような頭蓋骨を持っている。

ポール・セザンヌも
頭蓋骨を描いている。
頭蓋骨が3つもある絵で
「頭蓋骨のピラミッド」なる
タイトルが付けられている。

オランダの静物画、
ヴァニタスには
頭蓋骨の絵が多い。
ピーテル・グラースの
頭蓋骨の絵は印象的だ。

どうして頭蓋骨を描くのか。
「メメント・モリ」。
「自分がいつか必ず
死ぬことを忘れるな」の警句。
絵でもそれを訴えたいのか。

自分が死んだら
頭骸骨をとっておきたい。
自分の頭蓋骨を飾ってみたい。
それを見ている自分。
頭蓋骨はもう恐ろしくない。