啓蟄、蟄虫啓戸

家を取り壊した
住宅街の草むらに
ムクドリが集まり、
黄色い嘴で土を掘り、
虫を食べている。

三月五日に啓蟄、
冬ごもりしていた
生き物が地上に
這い出てくる日、
蟄虫啓戸でもある。

蟄虫啓戸は「すごもり
むしとをひらく」と読む。
暖かくなってきても
虫の姿は見かけない。
でも鳥たりは知っていた。

先日は春雷も鳴った。
「虫出しの雷」である。
春に二匹の虫で蠢く。
虫が活動しだして
まさに春が動きだした。