ヴァンブランの女王

白ワインの最高峰と言えば

フランスのブルゴーニュ、

コード・デ・ブランの一角にある

「ピュリニ−・モンラッシェ」だ。


南はサシャーヌ・モンラッシェ、

北はムルソーとの間にある畑。

モンラッシェは禿げ山の意味。

石灰質の土は葡萄以外育たない。


しかしシャルドネには絶好で

薫り高き高貴な白ワインとなる。

ワイングラスに注いだだけで

部屋中が華やかな香りに満ちる。


一口飲めばそのふくよかに酔う。

肉厚で濃厚で限りなく芳醇、

「これが白ワインなのか」と

圧倒的な旨さに常識が覆される。


肌の白い豊満で美しい女優に

柔らかく抱かれたような感じ。

肉感的だが非常に上品、

グレース・ケリーが偲ばれる。


『三銃士』で有名な作家、

アレクサンドル・デュマが

ピュリニーを飲んで言った。

「帽子を脱ぎ、跪いて飲め」


まさに神に感謝したくなる

ヴァンブランの女王である。