ワインが愛おしい

リーデルのグラスに入った赤ワイン。

ポッジョ・スカレッティ。

「スターエノロゴ」の先駆者、

フィットリア・フィオーレが

自分の畑で作った貴重なワイン。


わけあってほぼ半年ぶりのお酒。

妻に贈った誕生日プレゼントを

僕もお裾分けに預かった。

少しだけグラスにそそぎ、

ゆっくりとグラスを回す。


うっとりするようないい匂い。

少しだけ口に含み、空気を吸い込み、

シュルシュルと音を立てて味わう。

香りが鼻に抜け、口に溶け込む。

うっとりする幸せな気分。


少しずつ、少しずつ飲んだ。

これほど時間をかけて

ゆっくりとワインを味わったことは

これまでの人生で一度もなかったろう。

ワインが本当に愛おしく思えた。