武満徹は永遠なり

「武満徹さんの曲って

難しいとばかり思っていたら

合唱曲や映画音楽などは

すっごく綺麗でやさしくて

とてもわかりやすいのね」


彼女の言う難しい曲とは

彼に世界的な名声を与えた

「ノヴェンバーステップス」

琵琶と尺八を取り入れた

日本風情溢れる前衛的なもの


合唱曲は「翼」「うたうだけ」

「MI.YO.TA」「島へ」など

ハーモニーに透明感があり

谷川俊太郎の詩と相まって

心にグッと染みるものばかり


映画音楽の作品も数多い

「沈黙」「燃える秋」「古都」

「美しさと哀しみと」など

川端康成原作映画などの

日本美をメロディにしている


ギター曲は荘村清志が伝えた

あらゆる奏法の音色を基に

ポピュラー音楽の編曲もしている

特にビートルズの「ミッシェル」や

「イエスタデイ」は涙ものだ


日本が世界に誇る作曲家

武満徹が亡くなって早や25年

しかしその素晴らしい曲の数々は

まったく色褪せることなく

夜空の星の如く燦然と輝いている


彼の作った合唱曲にこんな曲がある

「死んだ男の残したものは」

彼女がこの歌を聴いてそっと呟いた

「武満さんが残したものって

永遠のメロディかもしれないわ」