ロスコーの抽象画
画面いっぱいの
上下の赤い色は
微妙に違っていて
分断されている。
上部三分の二は
濃いオレンジ色で
下部三分の一は
明るいオレンジ色。
三分割の絵もある。
上部は真っ赤で
真ん中は黄土色、
下部は灰紫色である。
色は塗り重ねられ、
微妙な深みがある。
いずれも忘れがたい
ロスコ―の抽象画だ。
ロシア生まれのユダヤ人。
迫害からアメリカに移住、
マーク・ロスコーは
ポートランドで育つ。
いつしか独自の画風が
誕生して名声を得る。
カラー・フィールド・
ペインティングを始める。
ロスコーは抽象画に
死、官能、緊張、皮肉、
機知と遊び心、儚さと偶然性、
希望の七成分を色に込めた。
何を感じるかは
ロスコーの絵の前に
立てばわかるだろう。
体全体が絵に包み込まれ、
不思議な空間に佇むからだ。