床屋のバスキア

僕が行っている

床屋の壁には

バスキアの絵が

貼ってある。


フリーダ・カーロや

ゴッホの絵もあるけど

床屋の椅子の前は

バスキアなのだ。


あの有名な横顔、

歯をむき出した

ドレッドヘアの

バスキアの自画像。


あのど迫力の顔が

目の前にあって

髪を切られるのは

不思議な気分になる。


「バスキア展

行ったんですか?」

「ああ、この絵、

巨大だったよ」


それだけで十分、

東京で催された

個展に行ってない僕は

羨ましくて仕方ない。


でもいい。

バスキアの絵が

床屋で見られるだけで。

それも僕が好きなものを。


バスキア、バスキア、バスキア!

彼のようにぶっ飛びたい!