ニセアカシア

ラジオ体操をしている公園で
背の高い樹に白い花がたくさん
花束のような感じで咲いている。
花咲く樹の下に立つと
甘い香りが漂ってくる。

「何の花でしょう?」と尋ねると
「ニセアカシヤよ」と花に詳しい
マダムたちが教えてくれた。
「日本ではアカシアと
間違って呼んできたのよ」

学術名はpseudoacaciaである。
ラテン語で「よく似たアカシア」。
だからニセアカシヤの名が付いた。
茎に棘があるためハリエンジュなる
名前もある北米産の落葉高木だ。

花穂は天麩羅やサラダにし、
新芽は和え物や油炒めで食せる。
花からは上質の蜂蜜が採れる。
ホワイトリカーに花を漬けた
アカシア酒は芳香が素晴らしい。

木材としても固く床材になり、
薪材としても火持ちがいい。
アカシアの似せものという
ありがたくない名前だが、
実はありがたい樹木であった。