金木犀と桂花茶

窓を開けたら

フワッと甘い香りが漂った。

「あっ、金木犀だ」

庭で育った緑の樹に

金色の花がたくさん

こぼれるように咲いている。


濃厚で芳醇な甘い香りに

心も頭も陶酔してしまう。

庭に飛び出してさらに

近くで香りを愉しむ。

「ありがとう。

花のない秋に咲いてくれて」


午後のアフタヌーティ。

金木犀の花を摘み、

紅茶に混ぜてみる。

硝子の急須に入れ、

熱い湯をたっぷりと注ぐ。

花の金色が光り耀く。


ティカップに注ぐや

甘い香りが立ち上り、

紅茶の渋みと兼ね合って

味わいも極上だ。

金木犀は桂花ともいう。

生の桂花茶の誕生だ。


金木犀の花を

白ワインに漬ければ

桂花陳酒になる。

蜜煮にすれば桂花醤、

砂糖漬けは桂花年糕。

どれも作ってみたい。


でもまずは純粋桂花茶。

金木犀の花を乾燥させ

煮出して花茶とする。

自分の庭に咲いた

金木犀だけに嬉しい。

我が家のオリジナルだ。