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スペースを使うのは誰? EL21-22ベスト16 ガラタサライ対バルセロナ(2ndレグ)より

2022年3月18日ガラタサライ対バルセロナの一戦から、「スペースの有効利用」について考える。
試合は、ガラタサライがコーナーキックから先制するも、バルセロナはボールを支配し続け40分に同左サイドから、F.トーレス、F.デヨング、ペドリのコンビネーションからペドリが同点弾を挙げ、後半開始直後オーバメヤンがこぼれ球を押し込み2-1としてバルセロナが勝利を収めた。
2戦合計で2-1としたバルセロナがベスト8進出を決めた。

・スペースを創る
バルセロナはインテリオールのペドリとF.デヨングを相手陣深くにポジショニングさせた。中盤の選手が高い位置をとることで、相手のマークマンを押し込み、もともとインテリオールがポジショニングしていたミドルサードにスペースを創造できる。

・サイドバックが使う
バルセロナが右サイドバックにD.アウベスを起用した際には、彼が空いたミドルサードを利用するパターンが多い。
D.アウベスはミドルサードから、大きく開いた左ウィングに対角線のパスを入れたり、ディフェンスラインとキーパーの間に質の高いパスを供給するなどして、チャンスメイクができる。

この戦術は、サイドバックがあたかもボランチのように振る舞いていることから「偽サイドバック」と言われる。

・ウィングが使う
バルセロナはこの試合右サイドバックにS.デストを起用した。縦へのスピードが売りである彼は、サイドのエリアで縦に動くプレーを好む。
しかし、前半は、同サイドのウィングにA.トラオレが起用されており、彼もまた、サイドに張ってプレーすることを好むため、空いているミドルサードを有効に使えていなかった。

後半になると、A.トラオレに代わってO.デンベレが出場した。彼は、オフザボールはサイドで張ってボールを引き出すが、ボールを受けると得意のカットインでボールを内に持ち出し展開を狙った。
インテリオールが高い位置をとることで、ガラタサライのディフェンスライン手前に、カットインのスペースが生まれるていた。
そのかいあってか、バルセロナは後半の方がよりテンポのいい攻撃を繰り出しているように見えた。

・まとめ
試合中にスペースを意識して プレーする人やコーチング、観戦する人は多いと思う。
しかしスペースを見つけたからと言ってやみくもに利用すべきではない。
バルセロナが作るミドルサードのスペースには、D.アウベスやO.デンベレのようにドリブル技術やスルーパスのセンスがある選手が利用するのがふさわしい。また、逆サイドの選手は、スペースを自分が使うのではなくスルーパスに反応できるように準備しておかなくてはならない。

スペースをどんな選手がどんなタイミングでどのように使うのが有効(点が取れる)か、チームとして意図を持ってプレーをしなければならない。

P.S バルセロナ次の試合はいよいよクラシコ!!健闘をお祈りします。

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