「ホントコ!」# 13 津田大介さんと生トーク♪ 「愛知トリエンナーレから始まる『自由』の再構築」

昨日は「ホントコ!」# 13 津田大介さんと生トーク♪ 「愛知トリエンナーレから始まる『自由』の再構築」へ。
https://www.kokuchpro.com/event/1a1011d70d7c1d82021ed2a81cf7d52b/

あいちトリエンナーレのコンセプトから始まって、成果(映像プログラムや音楽プログラムでもジェンダー平等を達成してたとは!)、不自由展騒動の経緯、補助金不交付の問題、最新の、名古屋市の来年度予算案にあいトリ経費が計上されてない話から、国際美術館会議(CIMAM)が展示再開を称賛し補助金不交付を問題視する声明を世界に発信した話まで色々聞けた。
あいトリ相関図すごい。

終わった後恋人と議論してて、特に高齢の美術関係者の中には安保闘争で挫折を味わって大人しくしてる方が吉と判断したのにおおごとにされたと思ってる人や、若い関係者も今まで津田さんのやろうとしたのと同じようなことを地道に丁寧にやってきたのに荒療治過ぎてぶち壊されたと思ってる人もいるんじゃない?と言われて、まぁそういう面もあるのかとは思った。
私はアート業界の人達に単に政治アレルギー(デモとかの直接的に政治と関わる方法に冷笑的という意味で)の人が多いだけなのかと思ってたから。
アーティスツ・ギルドから声明が出るまでは ( https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20495 ) アート業界からはほぼ表現の自由についての話ばかりで、政治的な面をあえて避けているような印象があったからそれも当たってるとは思ってるけど。

私は今回の騒動は表現の自由が侵害されたという話だけではなくて、その前に、レイシズム、セクシズム、歴史修正を肯定する空気が広く蔓延していて、「慰安婦像」(後から「天皇」、「原発」)というキーワードによって、いつもは(理解するのが難しいから)スルーしていた(もしくは見えていなかった)人達が現代アートの分野にまで進出してきたんだと思ってる。
自分達の主張を通すために使える新しい市場を発見したぞと。炎上が目的なだけだから文脈を切り取ってしまえば理解とか二の次で叩けるぞと。
コロナウイルスが東洋人への差別を生み出したんじゃなくて、元々あった差別がパニックによって表面化しただけなのと同じ構造。

ダムタイプの古橋さんが1995年にアートとデモ両方やればいいとインタビューで言ってたんだけど、ほんとにその通りだと思う。
http://www.webdice.jp/dice/detail/5830/

津田さんは現代アートとSNSの相性の悪さについても触れてた。
切り取られた一部の作品を使って文脈丸無視で批判するやり口はとても狡猾。そしてセンセーショナル故に拡散力も高い。
映像プログラムでもわりと攻めてる作品がいくつもあったのに、写真が撮れないのと、通常は作品を全部観るものだから、こちらは全然騒ぎにならなかったそう。
藤井光さんの作品も良く観ると結構過激なテーマを扱ってるけど、一部だけ切り取って騒げないような作りになっていて、その辺がとてもうまいなと思う。
でも不自由展ばかりに焦点が当てられていたおかげで、他にも攻めた作品いっぱいあったのにスルーされたのは、結果として良かったとも言ってた。
騒いでた人達は騒ぐのが目的だっただけで全然作品観てないなということもよくわかる。

他にも津田さんは、現代アートと市民との距離が大きかったと言ってた。
「行政のやる芸術祭で政治的なものを扱っても良いのか」という、海外ではそんなの当たり前すぎて疑問すら持たれないことが日本では普通に議論になる。
「寝た子を起こすな」「起こし方が問題だった」とも言われたそうなんだけど、起きないままジリ貧していくのをただ指をくわえながら見てるべきだったんだろか?

最後に聞いたお話良かったな。
もうすぐあいトリのカタログができるらしく、そこにも色々書いてあるみたいだからそれも楽しみにしてよー!
#あいちトリエンナーレ
#あいちトリエンナーレ2019
#art #アート

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