BL同人沼にハマった経緯の記録

その二人を思い出すまで

一昨年、とあるアニメが放送された。人気シリーズの漫画原作のアニメである。もともと中学の時にハマって原作が好きだったが、長らく読んでなかったのでアニメでもう一度見ることにした。アニメを継続してみること自体が久しぶりだった。グリッドマン以来である。
美しい作画、声優さんの熱演、満足して見られる作品であった。
そしてその時はやってくる。5話くらい進んだころだ。
「このキャラ、当時めっちゃ好きやった……」
思い出したのである。とある二人のキャラクターが大好きであったことを。

とにかく推しが見たい

その二人のキャラクターはなんてことのない敵役で、主人公たちに倒されて終わる立場にあった。だが、漫画を読んだ当時、その二人のかかわるバトルはとてもエキサイティングで、奇妙で、情熱的だったと感じた。
アニメで新しくカラーリングされ、声優さんもぴったりの方で、幸運だった。推しが生き生きと動いている。
「……………………しゅき」
ツイッターもピクシブもなく、個人サイト全盛期だったときに狂ったようにその二人のイラストを探していたことを思い出した。ほかのキャラよりも数が少なかったので同じ絵をなめ回す様に何度も見ていたことを思い出す。保存していなかったことが悔やまれる。
そして、今、SNSが発達した世の中で、推しを検索することが止められようか。
とにかく推しが見たい。それだけだった。

BLとの化学反応

推しの絵が見られる。とにかく嬉しかった。そしてとあることに気が付く。
「これは、ボーイズラブというやつなのでは」
その二人のカップリングで様々な作品や語りが生まれていた。
そもそも私は過去、この二人をカップルとして見ていなかった。しかし、毎日カップリングを浴びていると必然的にすりこみが起きる。
「この二人はできている」
自然とそう考えるようになった。すると自分の中からするすると解釈というものが生まれてくるではないか!本編では描かれていないことまでホイホイと妄想できてしまうのだ。生き生きとした息遣いをもって妄想があふれてくる。
きっとドーパミンも一緒に溢れていたことだろう。

描いてみる、書いてみる

急遽推しカプ用のツイッターアカウントを作り、自分でも生産することにした。小話、イラスト、落書き、自家設定……。止まらなくなった。
何人もの同士と出会うことができた。推しの作品を見せ合い、リツイートしたり、いいねしたり、コメントをつけたり……。幸せである。
初めて同人イベントに一般参加したのもこの頃だ。推しカプの薄い本が読めるだけでもう幸せを超えた何かであった。
二つ同人イベントに一般参加した辺りで思った。
「私も出したい」
幸い書き貯めていた小話があった。描いてみたい漫画のネタもあった。

実際にやってみる

なにもかもわからない赤ちゃん状態だったのでまずは調べた。イベントの申し込み方法、印刷所の探し方、原稿の作り方……。ショットガンアクションをポリシーとしているのでとにかくできることはやりたかったのである。
推しカプ仲間とさぎょイプをしながら原稿を作った。一緒に缶バッヂとステッカーも作った。基本的に自分が読みたいもの使いたいものを作ったのでかなり独りよがりな作品になったが私は満ち足りていた。

イベント当日、本を手に取ってくれた人達

イベントの初サークル参加である。設営をし、ひたすら待つ。推しカプ仲間が一つの島になっていたので互いに買い物しあって楽しく過ごした。
正直、知っている推しカプ仲間の手に渡れば御の字であると思っていたが、通りすがりの人が一人、買ってくれた。本当によかった。あの時のお嬢さんのことが忘れられない。
少なく刷ったのに在庫はたくさん出たけど、欲しいのに渡せない人がいたわけではないと考えると誇らしかった。

そして沼にハマった

今は何をしているかというと、次のイベントのために原稿を作っている。また小説と漫画と小物になる予定だ。完全に同人沼にハマったのである。
自分が見たいものは自分しか作れない。それをおすそ分けできるならしたい。そういうスタンスで創作をしている。誰か一人でも、「あ、このカプの本、あるんだ!」と思ってくれるのなら、私は嬉しい。
コロナウイルスでイベントが延期や中止になるかもしれないが、こんな時だからこそ、私は同人をかきたいと思う。

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