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ことばは籠らせない

外出自粛の要請に従っているものの、趣味も性分も専らインドアなもので普段とほぼ変わらない連休を過ごしている。インドア生活の難点といえは運動不足になりがちなこと。しかし今年からダンスを習い始めたのでその点も解消されてしまった。ダンスならゆるくでも息を切らしながらでも運動が楽しめる。スポーツウェアに着替える必要もない。すばらしい(大拍手)。インドア適応レベルがまた上がってしまった。

昨晩は札幌に住む友人に手紙を書いた。

彼女とは、今勤めている会社の前の職場で知り合った。彼女が休憩室で調整豆乳を飲んでいるのを見かけ、私は無調整を毎朝飲んでいると謎のマウントを取りに行ったことがきっかけで話すようになった。休日には遊びに出かけ、ライブにも行って一緒にペンライトを振った。あの二人はとても仲良しだと社内の誰からも認識されるほどだった。

彼女は札幌の事業所に異動することになり、その一ヶ月後に私は今いる会社に転職した。彼女が転勤してからは、どちらからということもなく自然と文通が始まった。(私が連絡無精なせいも大いにあるが、)それからは直接会うことも、電話も、LINEですらも、今のところしていない。お互いのSNSも知らない。でもそれをさびしいと思ったことはない。色合いがかわいらしいレターセットにカラーボールペンで書かれた彼女の文章と文字は、いつだって活き活きと便箋の上を踊っていて、読むと声が聞こえてくるよう。心がぽかぽかするのだ。

昨晩の23時くらいから手紙を書き始め、あぁでもないこうでもない…飽きたな、ちょっと動画でも見よう…よっしゃ再開、この話は蛇足かな、削ろう、あぁあのことも書きたい…下書きしすぎて腕疲れたな、ちょっと動g  なんてやってるうちに、やっとこさ書き終えて封をすると朝4時だった。書いたのはたったの便箋2枚。ただの会話なら、きっと5分程度で話せる内容だ。

文章は、飾ろうとすればいくらでも出来てしまう。でもそれは必ず見透かされる。だから慎重になりすぎてしまう。書き上げても、果たしてこの文章は私の温度感を写し取れているかを考えてしまい、もっと練れるのではないかと粘りすぎてしまう。にしてももう少し、肩肘張らずに身軽に書けるようになりたいなぁ。