100日後に30歳になる日記(21)

◆5月15日

晩ごはんのチーズ牛丼特盛

 すき家のメニューサイズには、キング牛丼という大きなサイズがあって、この前の朝っぱらにすき家に行ったとき、仕事終わりらしいアンちゃんがひとりカウンター席でキングサイズを食らっていた。ネットで存在だけは知っていて、実物を初めて見た。人が食べてるのを見ているとなんだか自分もイケそうな気がしてくる。じっさい食べ切れるかは知らない。
 大学時代は寮に住んでいて、先輩たちに学生街の飯屋に連れてかれ、大食いをさせられたものだ。それも今は昔、私はもうすき家の特盛でじゅうぶんな体になってしまった。特盛とキングサイズの間にメガ盛りというのがあって、いつかメガくらいならチャレンジしたい。

◆5月16日

 母の日と誕生日のプレゼントを兼ねて何か送る品を探しに、街に出る。東急百貨店とか、ぶらぶら見て回る。猫を模したクッション式のマッサージ器を見つけて、値段も一万円で手頃だ。けれどなんとなくチャチな商品に見えて、その後も色んな雑貨屋をうろうろした。で、目ぼしいものは見当たらず、結局毎年お世話になっている猫のグッズショップで、猫の刺繍の入った肩掛けカバンと、プラスでフリーサイズの猫Tシャツに今年は決めた。二万くらい。郵便局で発送する。
 子供のころ、ジュースとかおやつで、ふとこれが好きと言うと、親はそればかり買うようになったものだ。飽きても買ってくるので自分勝手にうんざりする。
 けれどいざ、自分が母親に何かを送る側になって、毎年毎年性懲りもなく猫の何かを贈っているのを省みれば、なんというか、何と言えばいいんだろう。もう少し肉親の好きなものを知っておくべきだったな。Tシャツの色は黄色にした。私が黄色が好きなので。

 一日中、暑い日だった。ステーキを食べたくてステーキ屋さんに行った。メニューを見ているとハンバーグピラフというのがとてもとても美味しそうだったのでそれにした。予想を上回る美味しさでハッピーで、食後に着いてくるサラダの冷たさもハッピーで、ハッピーがハッピーと掛け合わさってとにかく最高だった。ハンバーグ、食べるだけで幸せになれる奇跡みたいな食べ物。こんど行ったときにはステーキセットも食べてみよう。熱々だったので店から出たら少し舌がひりりとした。美味しさのあまりがっつきすぎたな。

◆5月17日

 ゆうべバスタオル2枚を洗濯したのをそれきりにしていて、今朝になってシャワーを浴びる時に思い出した。洗濯機の蓋を開けると悲しいくらい湿ったままだった。生乾きのままやむなく使って、また洗い直した。お詫びするみたいに柔軟剤もぶちこむ。

 映画「i☆Ris the movie Full Energy!!」を観に行った。十年余も活動してきたアイドル声優グループの映画。いや、僕は声優とかあんまり興味ないですけど。たまたま時間が余っていたからこの映画を観ただけです。それ、嘘だね。公開初日の初回に偶然観る映画じゃないよ。はい、ぼくはi☆Risの公式YouTubeチャンネルをフォローして繰り返し繰り返し観ています。まあ、にわかファンには変わりないのだけれども。ともあれ映画本編には、魅力がぎゅっと詰まっていて良かった。プリキュアの映画みたいな感じの爽やかさで、観ていてずっとにやにやしていた。これ応援上映楽しそうだな。いや……良質。映画は楽しいのがいちばんだと思う。

 映画本編前の予告は、たぶんランダムに選ばれているわけではなくて、アニメ映画ならアニメ映画の予告、洋画なら洋画の予告を流しているんだろうと思う。最近はアニメ映画ばかり観ていて、ルックバックやぼっち・ざ・ろっく!の予告を腐るほど見せられた。ちょっと前ならトラペジウムも。そりゃあジャンルが似通った予告を見せたほうがマーケティング的には正しいのかもしれないけれど、i☆Risを観る人間とルックバックを観る人間は同じアニメ好きでも客層がズレているだろうと思った。そういえば今月頭に観た「キラーナマケモノ」の上映前予告では、「関心領域」が放映されていて、ちょっと笑ったおぼえがある。同じ洋画ではあるけど無秩序すぎない? B級映画とアカデミー賞ノミネート作品は水と油だろ。いや、関心領域も来週公開されたら観にいくけれども。何の話? 予告はもう少しバリエーションをつけてほしいという話だ。

 お腹が空いたので手近なところにあったマックを食べた。何年ぶりだろうか。紙ストローというものに初めて出会った。これがネットで悪評高い紙ストローかと思って、どれどれどんなに不便かと思っていたら、案外ふつうだった。紙ストロー否定派、繊細すぎない? 好きにさせておけよ。ポテトがめっちゃ美味しい。無人島になにか一つ持っていくならマックのポテトを持っていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?