見出し画像

波に乗って、登って、走る力士 <フランス国営テレビの東京五輪TVCM>

世界各地の広告やプロモーションから、不定期で「いいな!」と思うものをピックアップしています。

賛否両論出ているオリンピック。コロナの蔓延に対するリスクが叫ばれ、聖火リレーの辞退が続いたり、オリンピックの開催に反対する声も国内では強まっている。来月に迫る中で、開催が明言されていないことなど、今までのどの五輪よりも不透明なのではないだろうか。

そんな中、パリで放映されたフランス国営放送によるのオリンピックのCMが話題を呼んでいる。
葛飾北斎の浮世絵調の絵がアニメーションになっていて、その中で相撲力士がサーフィン、スケートボード、ロッククライミングなどの競技種目をこなしながら絵画の中を駆け巡っていく。横に日本語で、オリンピックに向けたメッセージがフランス語ではなく日本語で書かれていることも、追ってみると面白いかもしれない。疾走感があって、古くて新しく、目が離せない1分間の動画だ。

フランスでは、日本の文化や美術に関心が高い人が多く、フランス人のアーティストも古くから日本の美術に影響を受けた人も多いそう。一方で、ヨーロッパの人にとっては遠い日本のことを伝えるためには、スポーツも関連があり、日本のアイコンとしてもフランスで広く認知されている相撲力士が選ばれたようだった。
特に印象的だったのは、映像の制作者が一番難しい、と言っていたのが「文化と日本の美術作品をリスペクトすること」。制作中は膨大な量の絵画を参考にしていたようで、今日の漫画ではなく、18世紀の日本の浮世絵を表現することで、日本の文化そのものを伝えようとしていた苦心が伝わってくる。

フランス人にも分かりやすい日本の象徴と、日本の浮世絵をアレンジしすぎていないビジュアルが絶妙にマッチしていて、フランスだけでなく、世界中の人にとっても見たくなる映像だと思う。

(そういえば日本は世界に向けてオリンピックの広報動画って作っていたっけ…?)

参照元:https://youtu.be/KjLfqX-gXZ0

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?