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舞台の袖に居られる幸せ③

舞台の袖に居た時から1カ月以上経ってしまった。
これで終わりにしようと思ったら、めっちゃ長文になった。
 
先日久しぶりにサッカーを見に行って、サッカーブログを書いてた時のログを見てたら、あったよ!リバーダンスの感想が。
 
以下2005年のブログの記事より抜粋
で、見た感想はというと「別に1回でいいな」という感じ。
正直¥11,000は微妙…。一番大きな理由は、プリンシパルの女性の踊りがあまり好みで無かったことです。こればっかりは好みの問題だから仕方ないけど。半端にコンテンポラリーぽくて。
タップやステップは凄かったですけど、技術だけが人の心を動かすのではないのよね。サッカーと同じく。
それから移民の歴史とか、民族的背景を織り込んでいるのも、私たち日本人には馴染まないところですよね。そういった歴史を当然知らない人の方が多いと思うし。
生楽器はなかなかでしたが、その他の音響はちと安っぽかった。
まあ、良かったところもあって、一番良かったのはフラメンコの踊り手さんでした。これは見る価値あります!腕の動きが素敵でした!私もフラメンコ習いたくなっちゃった(笑)。

 
というわけで結局習い始めて、しつこく未だに踊ってる(笑)
やっぱり出会いだったんだなあ。
 で、発表会の話に戻る、発表会までは、とっても準備が多い。
 

・衣装

通常は群舞は同じ衣装を使うので、同じようなパターンや色違いのレンタル衣装をサイズ直しをしてもらって借りる場合が多い。群舞で意見が一致すると、オーダーで揃いで作ってもらうときもある。衣装の貸し出し期間は1~2週間で、私が踊る群舞の衣装は1週間のレンタルで本番1週間前にやっとこさ手元に来た。
さて、手元に来てからがまた問題で試着して、きつかったりゆるかったりしないか、丈が短かったり長かったりしないか、詰めるときは自分で手縫いで修正することも多い。
私は採寸した段階でやばいくらい太ってて、さすがに体が重いこともあって、短期のファスティングをしたりして、結構絞っていたら衣装がやっぱり緩かった。ハイウエストの衣装だったせいもあって、詰めても生地が滑って踊っているとファルダ(スカート)が下がってくる。
仕方ないので、丈も少し詰めて、ウエストも追加でぎっちり詰めて、本番は更に安全ピンでとめてと万全の対策をしたおかげで何とかファルダの裾を踏むことなく無事踊れた。

・アクセサリー類

フラメンコでは、イヤリングと頭に付けるお花と面積の広いカンザシのようなペイネタというアクセサリーがマストだ。
これは、衣装と曲調でもってスタジオの先生が色を指定するので、それに合わせたものを準備する。イヤリングorピアスは持っていなければ買う。お花とペイネタはスタジオで持っているものを借りることができる。
今回はイヤリングとペイネタは黒、花は衣装に合わせた紫という指定だった。ペイネタとお花は借りることにして、黒のイヤリングは私は持っていなかったので購入するかと思って、ネットの海をさすらうも「これいいな」と思ったものは黒が売り切れだったり、黒の色展開が無かったり、値段が高すぎたり…。
疲れたのでパーツを買って自作した(ヘッダーの写真です)。しかしデザインを考えるのが楽しすぎて、パーツやビーズを買い過ぎて、イヤリング一個買うよりだいぶ高くついた。残った材料で、材料費+αで何人かのピアスを作らせてもらった。「売れるよ!」と褒めてもらえたが、アクセサリー作りは元々好きすぎて封印していたのだ。やり始めると子供のご飯も家事も寝る時間もどうでもよくなってしまう。家庭が崩壊してしまうので、売るために作るのはできない(笑)。

・前日

で、まあ色々準備してきたのに、予定外に本番2日前に生理が来るという痛恨の事態で参った。そんなに生理痛とかひどい方ではないが、それでも体も頭も重いし、むくむし、体調は決して良くはない。本番は3日目だったので出血はもうあまりない状態だったが、やっぱり色々と気を遣う。
前日は大出血状態で、外は低気圧でどしゃぶりの大荒れ、仕事は休みをとってたので良かった。午前中は大人しく、ファルダの丈をチクチク詰めて、メイク道具や衣装の下の着る肌着系を荷造りする。午後からエステに行く。体をケアしておかないと持たない。夜から会場での場当たりとリハで、ステージはやはり勝手が違い、自分がどこで踊るのか迷子になりそう。
夜9時過ぎに家に帰ると、夫は寝てて(怒)娘2人はテレビを見ていた。私はカラスの行水で風呂に入り、夫を怒りながら起こして娘2人の寝る支度をさせた。

・本番当日

自分よりも先に運動会の娘1号を出してやらなければならないので、とりあえず早起きして最終荷造りをし、朝ごはんの準備、髪型のセットだけ済ませ、娘たちを起こしてご飯を食べさせる。
娘1号を激励して出してやった後は、ボケっとしている夫に娘2号を丸投げし、自分もダッシュで地下鉄に乗って、会場へ急いだ。

会場に入るとまず楽屋で荷物を下ろし、メイクをする。舞台メイクは特殊で、ドーランを塗って一度顔を白紙のキャンバスのような状態にする。そこからアイシャドー、アイライナー、マスカラにつけまつげ、リップライナーに口紅、チークにシャドーと普段やらないことのオンパレードだ。
先生は自分の顔をようく観察しながら、足りないところを足していくのよという。がっつり描かないとステージのライトで顔がとんでしまう(白いのっぺらぼうみたいに見えること)。
個人的には、自分の普段のメイクを5割増しで濃い目にしたあと、少し時間を置いてその顔を見慣れてから、更にまぶた部分や頬骨の下に濃いシャドーを入れたり、アイラインを描き足したりする。いつも苦戦するのはつけまつげ。昨年はWeb動画でつけまつげの付け方なんてものを見て、勉強した。つけまつげ用の接着剤を塗って、少し時間を置いて接着剤を半乾きにしてから、付けるとずれにくいらしい。しかし接着剤はともかく、いつもまぶたのどの辺につけるというのがよく分からず、適当になってしまう。ひどい時は左右でずれる。付けなおしている内にせっかく引いたアイラインも滲んでしまう。コンタクトも目から剥離しそうになるし、つけまつげは鬼門だ。

そうこうしているうちに、ゲネプロ(通しでリハーサルをすること)の時間になる。今回はトップバッターで、私は1曲しか踊らないので、自分の出番が終わると最後の皆で踊るフィナーレまでヒマである。メイクの追加をしたり、最終でウエストを更に詰めたりして過ごす。
ゲネプロが終わるともう時刻は昼。感染対策で食べるときにおしゃべりするなとは言われているけど、もうマスクもなくポツポツと、でも途切れなくみんなおしゃべりする。この時間も楽しいんだよね。

昼ごはんの間はステージが空いているので、少し最終確認で踊ってみる。ここであまりムキになると疲れてしまうので、イメージ作りに留める。
そんなこんなで開演の時間が近づいてくるが、検温やら消毒やらで来ているお客様が会場に入りきらず、少し開演時間を遅らせるとのアナウンス。袖で待っているトップバッターは、ちょっと「え~」という感じになる。でも、袖からステージを眺めているときは、そこまでかかった時間やら労力やら走馬灯のように脳裏をよぎる。そして誰もコロナにかかることもなく、メンバー皆でここにいられることがどんなに幸運か噛み締める。少しじわっとする瞬間だ。
ブザーが鳴ってギターの音で曲が始まる。ライトで見えないステージの向かい側から出てくるメンバーと出のタイミングを合せなければならない。
踊っている間は余計なことを考えているヒマはないし、あまり詳細を覚えてはいないが、結構「あー、ここ上手く足(の音)が入らなかった」とか、ライトで一緒に踊っているメンバーが見えにくく、距離感が上手く行ってないような気がして気になったことだけ覚えている。後でDVDで、群舞の出来としてどうだったのか確認するしかないが、個人的には消化不良な踊りだった。11月のライブでリベンジすることを誓う。

コロナのせいで、発表会後の打ち上げも何もなし。これが一番消化不良かも。みんなで飲んだり食べたりしながら、あーだったこーだった。次はこれ踊りたいとか、プライベートな話とか席を移動しながら色んな人とおしゃべりするのが楽しかったのに。終わって家に帰ったらすぐ日常、洗濯もの出して、洗い物して…子供の相手して辛いわ。

次の発表会はいつになるか分からないけど、また出たい。
曲を覚えるのは途中からだときついから、新しいクラスになってコロナでスタジオをお休みしていた人も何人か戻ってきた。それも嬉しい。
後何回ステージの袖に居られるか分からないけど、仕事して育児して体のケアして、出来る限り楽しんで踊り続けていきたいと思う。

発表会の話 完。


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