どんなに頑張っても報われない農業こそ「変数」をどこに持ってくるかで改善する!


自分が農家のせがれで生まれ育ったせいで、当たり前と感じていましたが、農家は働き者です。
世間の社会人は土日になるとどこかに遊びに行ったり、長い休みをとっては旅行に行ったりします。
そんな中でも農家は働きますが、ものすごく儲かるかというと「?」です。
今回はそんな農家が取り入れるべきビジネススキルを紹介します。


農業の改善は沼!


農家の多くは朝早くから作業をはじめ、土日でもやることがあれば作業を行います。
暑い日も寒い日も、雨風が強い日も真面目に働きます。
自分で時間を調整できるという強みはありますが、多くの農家は仕事とプライベートを分けて考えることはあまりないと思います。

その理由として農作業の改善に終わりがないからです。
土や肥料、品種改良に日々の世話など、手をかければ終わりがないからです。
そして気候によっては改善したのに全く効果が出ない(売り上げが上がらない)ということがあります。

稲作など1年をとおして1回しか収穫がない作物であれば、様々な改善を試みるためには時間とお金、忍耐力が必要になってくるでしょう。

そこで、提案したのが農業にビジネススキルを導入することです。
今回は、その中で「変数」の方式を当てはめることをことを紹介します。

農業における「変数」の見つけ方とは?


まず「変数」についてのおさらいです。
変数とは数学ではよく「x(エックス)」などで表現されるアレです。
掛け算などで3の段の「3」以外の数字。表記は「3x」となります。
ビジネスにおいて事業改善を求められる際にはこの「x」が何なのかが重要になります。

例えば、あるケーキ屋さんで1日の売り上げを伸ばしたいと考えたときに「来客数」「1人当たりの購入金額」「生産コスト」などが「x」の候補として挙げられます。
ここから分析を行い「x」はどれか仮説をたて改善を行っていくということは一般的なビジネスで多く取り入れられています。

これを農業に置き換えます。ちなみにウチの場合で例を紹介します。
我が家で売り上げを上げるために行ったのは、結果的に「伝票作成のデジタル化」です。
下記、そこに至るまでの分析例です

・利益率がよい直販顧客の中でも毎年注文してくれるリピーターが一定数いる
└新規顧客は紹介や直接顔を知っている人がほとんどで、そんなに増加していない
 └新規顧客を増やしすぎない理由は2つで「直販に回す生産数が不確かで注文があっても断るのが申し訳ない」「伝票を手書きで書くため、住所を確認するなど1人当たりにかなり時間がかかる」

ここから課題を2つ見つけ出せます
1つが「生産数が安定していない」
もう1つが「伝票作成の手間」です。
この2つの変数に対して効果が高い方はどちらかと分析を行っていきました。

重要なのはより効果が高い「変数」を見つける!


2つの変数候補となる課題を見つけましたが、ここで重要なのは改善するのは1つずつの方がよいということです。
なぜなら、2つ以上の改善を実施すると効果が不明確になるからです。
とはいえ、年に1回しか収穫がない場合は、1つずつの改善では遅すぎるという面もあります。

ですので、できれば1つずつですが、場合によっては効果がかぶらない複数改善などの実施は検討の余地ありです。
そして、大切なのは改善する際に最大効果が期待できそうなものを見出すということです。

「生産数が安定していない」と「伝票作成の手間」という課題の場合で例を挙げます。
「生産数が安定していない」は天候などに左右される農業にとっては100%改善は難しいことから「x」=変数とは言えずむしろ決まっている問題(「定数」)と言えます。

一方で「伝票作成の手間」は直接的な農作業ではない事と、伝票作成ソフトを使うことで改善が期待できます。
ですので「x=伝票作成時間の短縮」で変数と考えられます。
そこで伝票作成ソフトと運用PC、プリンターを導入。
このうち、新規で購入したのは無く増えたコストはプリンターのインク程度です。

この様に「変数」の法則を使った農業の改善が重要と考えます。

まとめ


今回はビジネスにおける「変数」を使った農業改善例を挙げました。
「自分の農業を改善していくために数字に強くなる!」ということは、売り上げの増加などだけでなく、自分の時間を確保していく上で重要なことと考えています。
今後も、農業における改善法などを紹介していきます。

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