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PERCHの聖月曜日 98日目

定理四二 愛に基づいて、あるいは名誉を期待して、ある人に親切をなした人は、その親切が感謝をもって受け取られないことを見るなら悲しみを感ずるであろう。
証明 自分と同類のものを愛する人はできるだけそのものから愛し返されるように努める(この部の定理三三により)。だから、愛に基づいてある人に親切をなした人は、愛し返されるようにとの願望をもって、言いかえれば(この部の定理三四により)名誉すなわち(この部の定理三〇の備考により)喜びを期待して、それをなすのである。したがって彼は(この部の定理一二により)名誉のこの原因を表象することに、あるいはこの原因を現実に存在するものとして観想することに、できるだけ努めるであろう。ところが(仮定により)彼はこの原因の存在を排除する他のあるものを表象する。ゆえに彼は(この部の定理一九により)まさにそのために悲しみを感ずるであろう。Q・E・D・

ーーースピノザ『エチカ(倫理学)(上)』岩波書店,1951年,pp213-214

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