幸せな日々。


そのお店は広くて高級感もあるけれど、お洋服はリーズナブルで、でも色んなジャンルの物が置いてあるお店だった。

カジュアルが主だったけれど、フェミニンなお洋服が好きだった私の好みにも合うお洋服がいっぱいあった。
自分で着る服は買わないといけなかったけれど、価格もそこまで高くないので可愛いお洋服を月に1、2着、必ず試着して吟味して買った。
大好きな雑誌に掲載されている物の中で、なるべく近いディテールの物を選んでは、コーディネートもそれに近づけて、、、。

人と話す事が好きだった私は接客を中心に頑張ってほしいと言われ、接客を積極的にしてお洋服を売り込む、というより「お客さんと共にどうやって似合うお洋服を楽しんで選んで帰ってもらうか」という事を考えて仕事をしていた。
「売上」より「お客さんが喜んでくれる事」。
それが一番大切だと、そのお店の店長に教わった。
そして他のお店の事は決して悪く言わない事。
「あそこは質が悪い」とか「接客が良くない」とかそういう事は言わない。

とにかくこのお店の店長は神様の様な人で、本当に接客とは何かという大切なものを教えてくれた。

運良く私の売上が良かった日でも、その店長は「運も実力のうちですよ」と言ってくれた。
本当に良い環境の中で、私は仕事をさせてもらえる事を心から喜びながら働く事に励んだ。

朝3時半に起きて、4時間掛けて自分の好きな音楽をかけてストレッチ、筋トレをゆっくり1時間して、朝食を食べてゆっくりコーディネートを決めてメイクをして、好きなモーニングルーティンの動画を見たり、時には服のほつれを縫ったりして、、、。
朝日を浴びながら7時半に家を出てバスに乗って通勤して、そこから、持病のため短時間勤務で夕方までしか働けなかったけれど、「今日も楽しく働けた〜」と言いながら、夕食を食べて好きなスイーツを食べて、少しダラダラしてお風呂に入って、夜もパックをしながらナイトルーティンの動画を見たり、モデルウォークの動画を見て勉強したり。

ただただ、楽しく充実した日々が続いた。


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