本格的に調子が安定しだし、モデルを目指す様になる。


介助士の仕事をする傍ら、私は双極性障害の薬が全く効かなくなってしまった時にお守りのようにしていたファッション雑誌をずっと定期的に読むようになっていった。
病気があり、あまり稼ぎが少なかったため毎月は買えなかったが季節ごとに雑誌を買っては、気になるポーズや表情のページに付箋を貼りまくり、ページをめくるのが大変な程付箋だらけの雑誌を見て、家族に驚かれる位隅々まで読み込んでは、コーディネートやメイクをプライベートで真似してみたりした。

その時人生で初めて付けた口紅は、母から貰ったDiorのビビッドピンクのリップだった。
それを付けた瞬間から、私はモデルになろう。いつかDiorの何でも良いから、広告でもランウェイでも、どんな形でも良いからモデルになろう、なりたい。

人生で今まで感じたことの無いくらい、ときめきと情熱が生まれていた。


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