見出し画像

FITBOX(エアロバイク)がおかしくなって保証もしてもらえなかったので分解した話

長いこと続く引きこもり生活。
そんな生活になることは読めていたので、1年前にエアロバイクを購入していた。

購入したのはFITBOX LITE
静音性に優れるらしく、値引きで3万円だったのでこれにした。

自分の部屋は木造マンションの2階なので、階下への音は出来る限り減らさねばならない。静音性はなにより大事だ。

実際届いて使ってみると、たしかに静かだ。
いや、正確に言うとペダリングは静かだが、ハンドルやサドルのギシギシ音がすごい。
これは成人男性が使った場合、ハンドルもサドルも一番上まで上げないと体に合わないことに起因する問題だろう。
この音に関しては、ハンドルとサドルにうっすい布やゴムをかませることで解決した。
死ぬほど見栄えは悪いし、家族で共用する場合はどうすんだよという話だが、自分は独り身なのでまあよろしい。

しかし先程も言ったが、おそらく多くの成人男性にとってはサドルの高さが足りないのがFITBOX LITEだ。
なんだか窮屈なペダリングになる。ちょっと膝への影響が心配だ。
公式の商品ページでは「145cm~185cmの身長に対応(目安)」と言っているが、平気で嘘つくなよと思う。

そんなFITBOXをやりながら電子書籍を読んだり、Vtuberの配信を見たりしていたのだが、半年ちょっと経ったとき、ギシギシ音が鳴り始めた。
これは前に述べたハンドルやサドルからくる音ではない。
ペダル・・・いや、内部から来る音だ。

当然だがそんな音がしてもらっては困る。
階下への迷惑もそうだが、こっちは読書や配信を楽しみながらペダルを漕いでいるのだ。
異音なんて百害しかない。

この異音、常に鳴り続けるわけではなく、次の日には直ったりする。
しかし5分ほど漕ぐとまた再発し、その後直ったり直らなかったりする。

エアロバイクを漕ぐときというのは、「よーし、やるぞおおお!!」というテンションで行くものなので、少し漕いだら異音がしてくるのは凄まじくテンションが下がる。

だが安心してほしい。
こんなときのために1年保証のあるFITBOXを選んだのだ。

公式サイトへ向かって問い合わせからサポートへメールを送る。
注文番号やらあれこれを入力し、待つ。


2ヶ月が経った。


いうて自分も待ち過ぎである。
連絡は未だに来ない。
その後エアロバイクには乗らなくなっていたので、気がつくと2ヶ月経っていたのもある。

久々に乗ってみると、またしばらくして異音がし始めた。
人間と違ってFITBOXには自己治癒力は備わっていないのだ。

またメールを送る。
「以前もメールしましたけどぉ…」というニュアンスを含ませて。
さて、どうなることやら。


3ヶ月が経った。


色々やってたら忘れていた。
メールボックスを調べてみるも、FITBOX公式からメールは来ていない。

気づけば1年間の保証期間は終了していた。

残されたのは異音を発するFITBOXのみ。

実はこれ、本体重量が26kgくらいあるので捨てるのも一苦労なのだ。

その後、部屋の置物と化していた――


・・・しかし今日、こんなツイートを見つけた。


なにこれ・・・?


エアロバイクとデスクが一体化してる・・・。


自分は今までエアロバイクでコンテンツを楽しむにあたり、FITBOXについているスマホ置き場みたいな小さい場所を使っていたが、常々思っていたことがある。

PCの大画面見ながらが良いなあ・・・」と。

そのためにノートPCを上手いことハンドルに乗せたり、PCモニタのアームを伸ばしてみたりと色々やっていたがどうにもしっくりこなかった。
しかしこれなら・・・!

ツイート主の方が商品のサイトも貼ってくれていたのでさっそく行ってみる。

お値段、¥47,300


きっつ~・・・

しかしそのすぐ下のツイートにこんなものがあった。

えっ・・・?


天才じゃん・・・?



世界は広い。

賢人は存在し、そして的確な助言をタダで教えてくれることもあるのだ。

このKaosunaさんの方式を使えば、今持っているFITBOXのハンドルをぶっこ抜き、スタンディングデスクを合わせるだけで5万のエアロバイクと同じ環境が構築できる。

いや、むしろデスクの広さを考えれば上位互換ですらある。

さっそくハンドルを外し、スタンディングデスクを良い感じの高さまで調整。すこしばかりエアロバイクをこいでみる。

良い・・・!

荷重も机に置いた腕で分散できるし、普通にPCをやりながら運動ができている。
後ろに扇風機を置いたので涼しいし、PCの冷却効果もあるかもしれない!!
(ないかもしれない)

はぁ・・・素晴らしい発明だ。

Kaosunaさんはこの知力でかなりの功績を成し遂げている人に違いない。

世界はすげぇや・・・。


・・・しかし5分こいだところでアレが来た。

異音だ。

そうだった、これがあったから放置してたんだった。

せっかく神がかった環境ができたというのに、台無し。

仕方がない。

もう保証も切れたのだ。

分解するか。



このFITBOX、商品画像を見ればわかるように、本体がプラスチックで覆われている。

このカバーを外すのが面倒で、各所のネジを左右から外し、ペダルも外し、うまいことガコガコ動かしてようやく中身が姿を表す。

どうなっていたかというと・・・

FITBOXの中身

なんか・・・簡素じゃね・・・?


いや、自分は他のエアロバイクの中身を見たことはないのであれだが、第一印象は「簡素」だった。

もちろん、このFITBOX LITEはエントリーモデルなので、センサーもないしメーターもないしで単純なのは当然なのだが・・・。

そっかぁ、こんなもんかあ・・・。

せっかくなので色々見ていく。

まずはブレーキ機構から。
緑色の負荷を変えるハンドルを押すとブレーキがかかる。

ブレーキ機構

押すと布みたいな何かがダイレクトに押し付けられるので止まる。
うん、単純だけど理にかなっている。


次に負荷を変える仕組みを見ていこう。
まずは低負荷から。

低負荷のとき

次は高負荷のとき。

高負荷

何が変わったかわかるだろうか。

そう、白い部分回る機構側に近づいているのがわかるだろう。

磁石

つまりは、磁石が近づく距離で負荷が変わる単純な仕組みだ。

公式の販売ページでは、

「新世代マグネット式負荷調整システム」である

「MAGPOWERΣ」


ということなので、実はなんか凄いのかもしれない。

(自分は「名前のわりに単純だなぁ」と思ったけど)


さて、構造を見るのは程々にして、異音の原因を探る。
しかし見てわかるように、単純な作りなので見るところなんて全然ない。

やはりペダルをこいだときに音がするわけだし、接続部分なのか・・・?

ということで潤滑剤を吹き付けてみる。

左側
右側

回してみると、とりあえず異音は収まったようだ。

しかしまだ安心はできない。
試しに30分ほど使用してみることにする。


30分タイマー

あぁ。
やはりゲームをやりながらだと運動の過酷さなんて皆無だ。
素晴らしい。これは素晴らしいぞ。

で、30分経っても異音は発生しなかった。
ちょっとだけカタカタいうことはあるが、先程までの「ギギィイィ~~!」というような感じではないので問題ない。

マジか。
潤滑剤だけでほぼ解決するとは。

サポートに無視されたけど、結果的にほぼ30kgのこいつを梱包してあれこれする手間を省けてよかったのかもしれない。


これにて素晴らしい運動環境は完成した。

これからきっと素晴らしく健康的な生活になることうけあいだ。

賢人に感謝を・・・!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?