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季節のご挨拶がお客様とまた会える日までの距離を縮める

最近、少しずつですがお客様に「お元気ですか?」という、それ以上でもそれ以下でもないメールを送っています。

こちらの近況をお伝えしつつ、またお会いできる日を楽しみにしていることを書いて送るのですが、短くてもお返事をいただけます。

幸いほとんどのお返事はその方が元気であることが伺えるものです(安心します…)

でも中身は様々で、

「この状況と関係なく転職しました!」

「最近、外にあまり出ないからお洒落してないな…」

「実は新しい生命を授かりました…!」

と、思いもよらなかったみなさんの様子が知れて、そのまま今欲しいものの話になったり、数ヶ月後の楽しみにに思いを馳せたり。

やりとりの数は多くなくても、再会を心待ちにする気持ちが膨らみます。

「再会」

オーダーでものづくりをする僕に限らず、どんなお店でも「もう一度来てくれる」喜びってすごく大きいと思います。
それが1年ぶりでも2年ぶりでも、また欲しいと思ってくださったことは、それまでの仕事が報われる大きな出来事です。

再来店の動機は様々だと思いますし、皆様の気持ちとこちらの取り組みがマッチするように、SNSで発信を続けていることは前提になると思います。

でも、「次」がいつになるか見えづらい今、不特定多数に向けた発信と同時に、特定少数に向けたご挨拶がとても大事になると感じました。

「なるべく多く」よりも「じっくり深く」に目を向ける

新しいお客様に来てもらって、気に入ってもらうためのステップ

① 知ってもらう

② 見にきてもらう

③ 試してもらう

④ 買ってもらう

のうち、②と③(もちろん④も)は、そこまでのハードルを下げて、なるべく多くの方に体験してもらおうと考えてきた方も多いと思います。
でも、そのなるべく多くが一度には推奨されていない今、一度買ってくださったことのあるお客様と、もう一度深くコミュニケーションを取って、より満足してもらうことにも目を向けるのは自然なことだと思います。

たくさん人を集められないのなら、一人ひとりとゆっくり話す機会をなるべく増やすのが一つの解決策なのかなと改めて思ったのです。

一斉にメールを送ったり、ハガキを送ったりする方法もありますが、それだと「一方向のお知らせ」という性格が強くなります。
「やりとり」をすることが目的なので、相手に負担なく返事をいただきやすい手段としてメールや各種メッセージ機能がいいのかなと思います。

そして僕の場合、これは「挨拶」であるということを念頭に、購買を促すような文言はなるべく避けました。
なぜなら、わざわざ「断りの返事」をすることは負担以外のなんでもないからです。
本当に様子が知りたくてした挨拶なのに、断る連絡をするのが躊躇われるために返事をしない判断をされてしまったら目的が達成されません。

「せっかくの営業機会を…!」なんて思わずに、今は「ああ、この方とはまた遠くないうちに会えそうだな」という確認をしていく時間なのかなと思います。

なんでもない日のプレゼントが(びっくりするけど)嬉しいように、なんでもない連絡も思いがけず嬉しいものです。

いつになるかわからない再会までの距離をなんとなく掴む意味でも、季節や天気の力を借りて「ご挨拶」送って見てはいかがでしょうか。




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窪田健吾 / holo shirts.
オーダーという業態を選んだ時点で「無駄なものを作らない」が頭にありました。これまでもこれからも、ちゃんと袖を通して着倒してもらえるシャツ作りを続けていきたいと思います。