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シャツ屋が我慢できずにTシャツを売ることになった話

みなさん、本当に暑い時って何を着るだろうか?
シャツ屋としては「リネンのシャツ」とか答えてほしいものだが実際はそうもいかない。

夏はTシャツ


これが現実だ。
自分でもよく着るからわかるが、カジュアルで楽で汗もよく吸う。
プリントなんか入っていれば一枚でもさまになるし、そんなに値段が高くないので枚数も揃えやすい。優秀。

「夏はTシャツ着るんですよね」なんて言われてシャツ屋はこの長い夏をどう乗り切れば…
なんて悩んでいた2016年の年末、いや、、こうなったら売ればいいじゃん、Tシャツを。

たくさん仕入れてプリント入れて…ではない。
作るのだ。一から。シャツ生地でだ。

ストライプとか柄物で作れるのもいいところ

ということで爆誕したのが『シャツ屋のTシャツ』だ。ネーミングそのまんまだ。
Tシャツのポジションを奪うことはないけど、有力な選択肢になりうるものができたと自負している。

というのも、僕だってTシャツに不満も持っていた。
・汗をよく吸うのはいいが、乾かない時間が長いと臭くなってくる
・よれっとした時のだらしなさ
・身体のラインを拾うので、体型で印象が変わりすぎる

作ってから気付いたが『シャツ屋のTシャツ』はこれらをすべて解決してくれていた。
このTシャツ、シャツと同じ生地だから当然伸びない。この「伸びない」という性質は「着にくい」につながるのだが、良いところもある。よれっとしにくいので、さらっと一枚で着ていて清潔感がある。だらしなくない。そして身体のラインを拾いにくい。そしてそしてすぐ乾く。(一応書いておくと薄手のインナーは着ることをおすすめする)

ただ、当時のモデルは肩にボタンが付いていてちょっと医療系のユニフォームっぽく見られたりして僕自身が似合わないという問題があった。
(なんていうか色によっては男性が着ると整体師みたいになってしまう)

肩のボタンがちょっとユニフォームぽかった

そんなこともあってしばらく引っ込めていたのだが、信頼するパタンナーの力を得て、今年ついにリニューアル!!!!
新生『シャツ屋のTシャツ』としてリリースした。

前から見たら普通のTシャツだが


後ろから見ると『シャツ屋のTシャツ』なのである

Tシャツみたいな見た目だが、シャツを作るための技術が詰め込まれた自信作である。

なんで後ろで開いているかというと、そうしないと首が通らないから。伸びない生地を使うけど、詰まった首周りにしたい。なら開けようとなるのだ。
男性には馴染みのない後ろ開きの服だが、見た目もボタンの留めやすさも配慮してユニセックスを実現したと思っている。

(追記)なぜ後ろの開きが斜めなのか?
女性の服だと一般的な「後ろ開き」というディテール、ボタンをたくさん使わないと背中が見えてしまう。
ユニセックスで展開するため、かなりの確率で男性が着用する。しかも大人の男性が。

ここで聞く。
おじさんの背中がチラ見えしてるのはどうだろうか?着ている本人の背中がスースーすること以外誰も得しない(と個人的には思う)
それなら隠さなければ。そう思って重なりができるようにして、ボタンホールでボタンを留められるように工夫したというわけだ。
ループを使わなかったことで結果としてほどよくカジュアルに、女性っぽすぎないデザインになったと思う。

いい感じ

半袖も肘まで届くくらいの「五分袖」。元気でハツラツとした半袖ではないが、落ち着いた大人な雰囲気で着られる服になったと思う。
そんな自信作、受注会ができた会場だけでオーダーできるというのはもったいない!ということで

オンラインオーダー受付中

5月15日までオンラインでのオーダーを受け付けている。
売り切れるとかはほとんどないので、じっくり吟味してご納得いただけたらぜひオーダーしてほしい。絶対これから毎夏に活躍する
Tシャツとして考えたら高いが、半袖のシャツとして考えたら法外な値段ではないと思っている。
(19800円〜25300円)

リニューアル前から数えたら(一部の方々に)5年以上愛され続けている『シャツ屋のTシャツ』、これからもっと多くの方に愛されてほしい!のでぜひご覧ください。

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オーダーという業態を選んだ時点で「無駄なものを作らない」が頭にありました。これまでもこれからも、ちゃんと袖を通して着倒してもらえるシャツ作りを続けていきたいと思います。