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一流の野球選手になるために必要なこと


自分の言葉に責任を持とう

こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

前回は、「」についてお話をしました。

強いメンタルをつくるための手順をお伝えしましたが、メンタルトレーニングは日々の継続的な努力が必要です。
何度でも確認し直して、確実に身につけるようにしてください。

強い気持ちをつくる「心の習慣」は、身につけるのが早ければ早いほど、野球の結果も早く出ます。
メンタルトレーニングを始める時期が、早すぎるということはありません。

今回は、心の習慣を身につけながら考えたい「一流選手になるために必要なこと」を、心の側面から考えてみたいと思います。

まずは、自分の言葉に責任を持つことからはじめてみましょう。

たとえば、「〜するしかない」といった言葉を使う習慣があったとします。
このような言葉を使う習慣をつけてしまうと、自主的に考えて行動することができなくなってしまいます。

コーチに言われたからするしかない
監督に叱られたくないからするしかない

と言ったように、色々なことがすでに決められているという言い訳を、自分で先につくってしまうことになります。
当然ですが、この習慣は、自分がレベルアップしていくために良いことではありません。

そして、このような習慣は、自分の結果が良くなかった場合にも悪い影響を与えてしまいます。
それは、「するしかない」と考えているということは、本人は周りから強制されたと思っているのだと思います。

自分の意思ではないことを「やるしかない」と思ってしたのですから、結果が悪かったのは、周りの環境のせいだと考える傾向が強くなります
ですが、こういう心構えでは、自分の可能性を自分で制限してしまうことになってしまいます。

「するしかない」と思ったとき、まず本当に他に方法がないのか考える習慣を持ちましょう。
そして、「自分ですると決めたこと」だという言葉を使う習慣をつけていきましょう。


反応的な言葉を使っていないか意識してみましょう

プロ野球の中継を観ているとき、先発投手の降板後のコメントで、こんなことを聞いたことがありませんか?

ブルペンでは調子は良かったんですが・・・

もちろん、試合では練習中に感じることのないプレッシャーを受けるのですから、自分のイメージと実際の投球が食い違うことはありますね。
また、試合の当日に、あまり体の調子が良くないこともあると思います。
ピッチャーの場合、少し肩が痛いこともあるでしょう。

その時、今日は投げたくないと思っても、監督に先発を言い渡されたら「肩が痛いけど投げるしかない」と反応的な言葉を使うこともあるのではないでしょうか。

この場合の選手の気持ちは、「試合に負けても自分には責任がない」とか、「監督に言われたんだから自分にはどうしようもできない」という言い訳をカモフラージュする使い方になってしまいます。

それでは、やはりレベルアップすることが難しくなってしまいます。

逆に、「肩が痛いけれど投げたい」という場合もあるかも知れません。
レギュラー争いをしていると、少しくらい痛くても「投げたい」という自分の気持ちが強くなることがあるはずです。
しかし、肩が痛いまま投げれば、試合後に肩はもっと痛くなってしまうでしょうし、自分にとってもチームにとっても大きなダメージになります。

小中学生であれば、自分の気持ちを上手に伝えることが難しいと思います。
そんな時、つい反応的な言葉を使ってしまうことがあると思いますが、お父さん、お母さんがそれに気づいたら、言葉の習慣も変えるように意識をしてみましょう。

そして、少しずつでもいいので、上手に自分の気持ちを伝えられるようにしていきましょう。


気持ちを上手に伝えるために、自分にできることを見つけましょう

つい反応的な言葉を使ってしまうのは、自分にできることが見つかっていないことが原因のひとつです
そのためには、監督やコーチに指示されることだけをするのではなく、自分でできることを考える習慣を持つことが大切です。

先ほど、プロ野球の投手のコメントの例をあげました。

結果が良くなかったのですから、おそらく、ブルペンの投球動作と試合の投球動作が、微妙に違っていたのだと推測できます。
仮にそうだとすると、その選手が「今の自分にできること」を普段から考えメモに書くなどしていたら、状況は違っていたのではないかと思います。

たとえば、自分が最高のピッチングをした試合の映像を繰り返し見る習慣を持ち、そのピッチングをイメージの中で常に繰り返すことは効果的です

そうすることで、練習や試合で、体の感覚を修正しながら投球することにつながります。
それが良い結果につながれば、自分自身の自信になりますし、技術的なレベルアップにもなりますね。
その自信は、間違いなく心も強くしてくれます。

小中学生の場合は、少し難しいテクニックかも知れませんが、このように「自分にできること」を考える習慣を持つことで、将来の一流選手への道が開けると思いますが、どう思いますか?


やはり、メンタルリハーサルが大切ですね

自分にできることを見つけて行動することで、主体性が養われますから、反応的な言葉を減らす手助けになります。
反応的な言葉が少なくなれば、ネガティブなセルフイメージの改善になりますから、「心・体・技」の備わった選手へと成長していくことがイメージできますね。

先ほどの投手のコメントの例を考えると、ブルペンでは球が走っていて調子はよかったわけです。
しかし、試合に入ったら感覚がズレて打たれてしまったのですから、結果的には、ブルペンと試合のマウンドでは、投球動作が異なっていたと考えられます。

ですから、試合中にその動作の違いを修正できれば、練習と同じ投球ができるはずです

小中学生をはじめ、高校や大学の野球選手、そしてプロ野球の選手でも、試合で結果が出ない選手に対して「気持ちが弱い」とか「メンタルが弱い」と表現されます。

少し理屈っぽい話になってしまいますが、気持ちが弱いから試合で結果が出ないというのは、本当でしょうか?
私は、気持ちの強さ、弱さを考える前に、試合で結果を出すための準備をすることが大切だと思います

以前にメンタルリハーサルのお話をしましたね。
メンタルリハーサルは、練習や試合の前に、自分が最高のプレーをしているイメージを具体的にビジュアル化するテクニックです。

これは、ある大学の野球部の投手を対象にして行った実験の結果です。

ある投手には、試合前に自分のベストな投球動作の映像を見せ、集中してメンタルリハーサルをしてもらいました。
そして、もう一方の投手には何も見せず、メンタルリハーサルもしませんでした。

結果は、ご想像の通りです。

集中してメンタルリハーサルをして、自分のベストな投球動作を脳にインプットできた投手は、試合でも良い投球動作でピッチングができました。

これは、集中してメンタルリハーサルを行うことが有効だと言える一例です。


さらに、技術的な進化もメンタル強化をサポートしています

メンタルリハーサルが有効だということが理解できたと思います。
良いイメージをインプットして試合で良い動作が再現できれば、結果につながり自信につながります。

自信は、気持ちの強さになって、その次の成功の原動力になります

最近では、DX化により、大容量の映像もクラウドを介して、いつでもどこでも見ることができます。
海外のスポーツ界では、必要な映像をすぐに本人に見せてフィードバックし、結果を出すということが常識になっています。

たとえば、しっかりメンタルリハーサルをしたとしても、急に調子が悪くなることもあるでしょう。
そのような時でも、選手はすぐにサポートを受けられるようになっていて、もうすでに多くの実例も紹介されています。

これは、アマチュアの野球では難しいことではありますが、このような事例が海外にはあるということを知って欲しいと思い、ご紹介しました。

技術的な進歩もまた、選手のメンタルを強くする手助けになっているのです。


一流は、一流から学んでいます

一流選手のプレーを真似することは、技術向上のために重要な練習方法のひとつです

たとえば、埼玉西武ライオンズや福岡ソフトバンクホークスなどで活躍した工藤公康さんは、阪神タイガースや広島カープなどで活躍した江夏豊投手の投球フォームの分解写真を参考にして、自分の投球フォームを完成させていったという話は有名です。

工藤さんが、プロ野球という野球界のトップで、長きに渡って活躍した原点は、一流投手の技術を学んだところにあったのです。

そして、一流の指導者もまた、一流の指導者から学んでいました。

ヤクルトや阪神、楽天で監督をつとめた野村克也さんは、プロ野球史上誰もが認める一流の監督の一人ですね。
その一流の野村さんは、元巨人の川上哲治監督を目標にされていたそうです。
何かあると「川上さんならどうするだろう」と考えるのが思考のパターンだったそうです(「野村の眼」KK ベストセラーズより)。

プロ野球の一流監督も、一流の監督に思考を学んでいたのです。

そして、練習やトレーニングを行っていくとき、技術面だけでなく、発言や生活態度に至るまで、一流から学ぶという習慣を身につけていきましょう
そうすることで、さらに合理的に大きく成長していけると思います。

たとえば、メジャーリーガー大谷翔平選手の発言や、生活態度を真似ることは、とても有意義なことだと思います。

これらはほんの一例ですが、一流になる過程で、一流をマネする選手が他にもたくさんいます。
野球のスキルアップのために、マネをする選手を見つけることも有効な方法だと思います。

ぜひ、試してみてください。


いかがでしたか?

今回は、一流選手になるために必要なことを、いくつかの視点で考えてみました。

まずは、反応的な言葉遣いをしていないかチェックしてみてください。
そして、できないことではなく、できることを見つけて行動するようにしましょう。
また、メンタルリハーサルを集中して行い、試合で結果を出す「心の習慣」を身につけていきましょう。

さらに、お手本となる選手を見つけて、マネをしてみることも、「心・体・技」のレベルアップにつながりますから、ぜひ試してみてください。

ホロス・ベースボールクリニックでは、メンタルトレーニングのサポートも行っています。
こちらのページも、一度ご覧ください。

そして、何か質問があれば、いつでもメールでご連絡ください。

今回は以上です。

次回もまた、野球の上達に役立つ情報をお届けしますので、楽しみにお待ちください。


【石橋秀幸プロフィール】

広島県出身 日本体育大学卒。
慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修卒。 1987年から2002年まで15年間、広島東洋カープの一軍トレーニングコーチ。
1997年ボストンレッドソックスへコーチ留学。

現在は、神奈川大学人間科学部非常勤講師、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。
また、2022年11月からホロス・ベースボールクリニック代表として、球児の成長のサポート事業をスタート。
これまでも、プライベートコーチとして、小学生から大人まで、アスリートはもちろん、プロの演奏家へもトレーニングとコンディショニング指導を行う。
著書多数。

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