野球センスをアップさせるなら、アニマルトレーニング(9)
それぞれの動物の動きから獲得できる運動能力6
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
今回で、アニマルトレーニングに関する解説は終了です。
お伝えする動物は、【フラミンゴ】【クジャク】【ハヤブサ】です。
それぞれの動物の動きが、野球のどんな動作につながるのか、気になりますね?
何度か触れましたが、アニマルトレーニングは、どちらかというと地味なトレーニングです。
ハアハアと息を切らせて、汗をダラダラかきながら行うトレーニングとは違います。
体の基礎的な動きを意識しながら、柔軟性を高めて可動域を確保するといった感じだったり、一歩目の動きを強く早く行うことを、体に覚えさせるといった具合です。
それらの基礎的なトレーニングドリルによって、野球のパフォーマンスを高める10個の能力をバランスよく伸ばすためのトレーニングです。
ですから、それぞれの動作は簡単ですが、体の動きの基礎をつくるという意味合いが強いと考えています。
たとえば、アニマルトレーニングによって、急発進する時の基本的な体の動きを覚えてから、実際に盗塁の練習をすると、その成功率も上がるのではないかと思います。
また、ピッチャーの場合、踏み出し足を高く上げてから投げられれば、強い投球ができますが、今回の動物の動きは、そのための基礎的な筋力を鍛えることができます。
以前のブログやkindle出版した「小さな体でも大丈夫!野球で活躍するための成長期前の小学生の体づくり」でも解説していますが、野球の能力やセンスを高めるためには、ただ筋力を上げるだけではアンバランスです。
「柔軟性」「バランス」「筋力」「有酸素性能力」の4つの能力を、バランスよく高めることが必要です。
特に小学生は、まだ4つの能力レベルが低いですから、高負荷なトレーニングから始めるよりは、アニマルトレーニングで体の基礎的な動かし方を覚えてから、負荷の高いトレーニングにつなげて行くことが望ましいと考えています。
トレーニングの専門家として、アニマルトレーニングは、小中学生に効果的ですからおすすめです。
それは、まだ未発達な、脳から筋肉に対して行う「指令の通り道」がつくりやすくなると考えられるからです。
例えば、早く走るために、ダッシュをトレーニングメニューに取り入れているとします。
でも、子どもの場合は、体全体の筋肉をどのように使えば、速く走ることができるのかを知りません。
ですから、ダッシュの本数を多くして効果を得ようとするよりは、まずは、アニマルトレーニングによって、速く走るために必要な筋肉の使い方を、動物の簡単な動きを真似ることで、【脳から筋肉への指令の通り道】を先につくった方が近道です。
一見地味なトレーニングですから、その効果に「?」がついている人も多いのかも知れませんが、脳と筋肉の連携を考えた場合、アニマルトレーニングは、とても効果的です。
でも、まだまだ取り入れている人は少ないようです。
逆に考えると、やってる人が少ないうちにアニマルトレーニングを取り入れれば、ライバルに差をつけるチャンスです。
それでは、それぞれの動物の動きを確認していきましょう。
【フラミンゴ】
フラミンゴは、片足だけで長い時間バランスよく立つことができます。
それは、疲れている片足を休めているとか、寒いから片方の足を羽で包んでいるなどと考えられています。
高まる運動能力
バランス能力、筋力
トレーニングの目的と効果
このトレーニングは、フラミンゴのように片足を上げてバランス良く立てるようになることを目指します。
投手が投げるとき、片足を高く上げると、投げるためのエネルギーを沢山ためることができます。しかし、足を高く上げるほどバランスを取りづらくなります。
このトレーニングで、片足を上げてもバランスよく立つことができるようになります。
トレーニングの方法
両足を揃えて立ちます。
片足の膝を股関節の高さまで上げます。
膝をできるだけ高く上げて、両手で膝をかかえます。
その姿勢のままで5秒間維持します。
左右8回ずつ、2〜3セット行いましょう。
【クジャク】
クジャクは、大きくてきれいな羽根を、ダイナミックに大きく広げることができます。
高まる運動能力
柔軟性、連結能力
トレーニングの目的と効果
クジャクが羽根を大きく広げるように、肩甲骨を大きく動かして、肩の可動範囲を広げることを目指します。
肩甲骨の可動域が広がるので、投球動作で肩まわりの筋肉を大きく使うことができるようになります。
あわせて、肩まわりのケガの予防につながります。
トレーニングの方法
両ヒジを曲げて、体の後ろにもっていきます。
両ヒジを伸ばして、腕を真っすぐに上方へ上げます。
※腕の動きで、体がブレないように意識することが重要です。
8回、2〜3セット行いましょう。
【ハヤブサ】
ハヤブサは、時速100kmで飛ぶことができます。急降下するときは、時速200km以上出るといわれています。
高まる運動能力
筋力、バランス能力
トレーニングの目的と効果
ハヤブサが急降下をするときは、羽根と体の形を維持したまま変えません。
このトレーニングは、ハヤブサのように体の形を変えないで、力を維持できるようになることを目指します。
野球で重要な体幹の筋力を向上させます。その結果、打撃フォームが安定し、腰痛の予防にもなります。
トレーニングの方法
両足を肩幅より広く開いて立ち、軽く両膝を曲げて上体と地面が平行になるようにします。
両肘を90度に曲げて、両手首・両ヒジと背中が一つの面となるようにして、地面と平行になるようにします。この姿勢を10秒間キープします。
10秒間姿勢をキープ、2〜3セット行いましょう。
いかがでしたか?
これで、18種類の動物の動作で高められる、10個の能力についての解説は終了です。
繰り返しになりますが、アニマルトレーニングは、野球に必要な動作の基礎を体に覚えさせるトレーニングです。
脳から筋肉への指令の通り道ができることで、理想的な体の動きを覚えることができます。
理想的な体の動きを覚えてから、さらにレベルアップを狙うトレーニングをするのと、理想的な動きを覚えずに、強度や負荷の高いトレーニングをするのでは、結果に大きな違いが生まれます。
そして、ケガのリスクも違ってきます。
野球のパフォーマンスを高めたいと思っている小中学生には、早い段階でアニマルトレーニングを取り入れて欲しいと思います。
アニマルトレーニングについては、ホロス・ベースボールクリニックで制作した動画があります。
アニマルトレーニングを日々のトレーニングに取り入れたいようでしたら、参考にしてください。
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