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きたがわ@ひいらぎ読書会
2023年11月12日 23:15
ある日、家に帰ると、庭に一匹のねこがいた。亜麻色と白色のはちわれで、足先の白い毛は、まるで靴下を履いているみたいだ。左の耳がわずかに欠けているから、恐らく雌の地域猫なのだろう。彼女は青い瞳でじっと僕を見つめた。それから疑わしそうな表情を浮かべた。僕は嬉しくなって、冷蔵庫からにぼしを取り出して、彼女を刺激しないよう、すこし離れたところにそっと置いてみた。彼女は近寄ってくんくんと匂いを確かめてか