見出し画像

妊娠糖尿病と低糖質食事療法

わたしはこの11年で1000例以上の妊娠糖尿病を低糖質食事療法でサポートしてきました。


日本の産科施設で低糖質食事療法を取り入れているところはと~っても少数です。わたしが知る限りでは4~6施設です。ベテランの管理栄養士がいるところとなるともっと数が少ないです。(もちろん私が知らないだけかもしれません。)

低糖質食事療法で指導する施設が少ないのは、日本では日本糖尿病学会と日本産婦人科学会が、妊娠糖尿病に対してカロリー制限の食事療法を推奨しているからです。

けれど欧米では違います。糖質をオフする方が簡単で、安全性が高いということが知られているからです。

わたしもシンプルでとてもいい方法だと考えています。

低糖質食事療法は、カロリー制限より自己流で簡単にできそうに思えるかもしれません。

実際には個人でやることはとても難しいです。

食事だけを見ればいいわけではないからです。

妊娠糖尿病はいつでも『妊婦であること』『赤ちゃんを育てること』を一番に考えます。

そのことを忘れ、血糖値管理や糖質量に囚われてしまう妊婦やそのサポートをする医療者が多いように感じられます。

血糖値だけでも、糖質量だけでも、カロリーだけでもなく、

ママの心や体の状態、赤ちゃんの成長も合わせて考えられるプロのサポートは妊娠糖尿病の方には不可欠なのだと知ってほしいです。

そして、もうひとつ知っておいてほしいこと。

それは……妊娠糖尿病と診断されたあなたは、今とってもがっかりとしているかもしれません。

でも妊娠糖尿病は【赤ちゃんがあなたに身体の弱点を教えてくれたチャンス】なのです。

誰にでも身体の弱点があります。

その弱点に対してやさしくしてあげれば、身体は長く元気でいられます。

ネガティブに捉えず、早くわかってラッキーだったと知ってください。

せっかく妊娠糖尿病という診断がついたのに、産後に元の食生活に戻してしまったら、それは「早く糖尿病になりたい」と言うようなもの。このことについてはまたいつか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?