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妊娠糖尿病と食後血糖値測定

糖尿病でも妊娠糖尿病でも血糖値を測定している人は、一般的に食後2時間の血糖値を見ます。

妊娠糖尿病とは、日本産婦人科学会の定義によれば「前略…糖尿病に至らない糖代謝異常」とされています。よって食後2時間値が150mg/dlとか200とかになる人は比較的少なく、140くらいを120以下に下げなくちゃ!みたいな人が大多数かと思います。

また75gOGTTという妊娠糖尿病の検査では、高値で診断されちゃったけど実際の食事では、2時間値は120以下がほとんどなのに…と言う方も多いです。

でもね、妊娠糖尿病と言う診断がついて、食後血糖値があまり高くない方は摂取しているエネルギー(カロリー)が少なすぎる方が多いです。妊婦として必要なカロリーをきちんととれないと、赤ちゃんの将来の体質に悪影響を与えることがわかっています。

わたしが妊娠糖尿病に低糖質食事療法を勧めたい理由は、ここにもあります。

カロリー制限では、お腹の赤ちゃんにとって栄養が不足します。

低糖質食事療法なら、十分な栄養をとりながら血糖値コントロールをしやすいのです。

血糖値を測定するときのもうひとつの注意は2時間値ばかりを見ないこと。血糖値のピークは食後1時間で現れます。血糖値は急激な上昇や下降などのグルコーススパイクと言われるようなアップダウンが赤ちゃんの身体にもママの身体にも良くないのです。

食後血糖値は1時間値 140mg/dlを基準とする。

わたしが受け持つ患者さんには、そのように伝えることがほとんどです。実際にわたしは現在リブレを装着中ですが、少々の糖質を摂取してもすぐに急上昇します。その後一気に下降し、2時間後は正常値である120以下なのです。

この結果を見て安心してごはんやパンを食べるなんて、とても怖いことなのです。

だから「妊娠糖尿病と言われても、食後2時間値は正常値だから普通にごはんやパンやお菓子を食べる」と言う人は要注意。診断がついたことには、きっと意味があるはずなのです。

食後1時間値をチェックする。できればリブレのように24時間モニタリングできる装置で急峻な山が現れていないかを確認し、一日を通して穏やかな曲線となるような食事にしていけることが理想です。

ちなみに血糖値測定をせずに食事療法をするなんて、「眼隠しして車を運転するほど危ないこと」ですよ。血糖値測定器はご自身でも購入できます。妊娠糖尿病を機に健康管理は医師任せにせず『わたしがやること』という意思を持てるといいですね。

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