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「モレなく、ダブリなく」は難しい

みなさま、こんにちは。
本日は中小企業診断士HOKU塾の「H」、浜田が担当いたします。

私たちHOKUのメンバーがお届けするセミナーの開催まで、あと10日となりました。
今回のセミナーで、私は「ロジカルコミュニケーション」についてお話します。上司への働きかけ、想いを実現するためのコミュニケーション方法をお話します。私自身の体験談も交えながらお話する予定です。

『若手・新任リーダー必見!課題すっきり解決!コミュニケーションセミナー』
  ~ まわりの見る目が変わる!コミュニケーション術教えます ~

 日時:2021年7月31日(土) 午後1時~午後4時30分
 場所:としま区民センター 504会議室
  池袋駅東口より徒歩7分

セミナー詳細、お申し込みはこちらのURLからお願いします。
https://www.kokuchpro.com/event/f316634a118bd4f6c5a2d29a3c5fb67c/

セミナー開催日は緊急事態宣言の期間内ですが、予定通り会場にて実施いたします。感染対策を徹底した上で開催します。
残念ながら懇親会は開催見送りとなりますが、参加される方々の交流の場としてもご活用いただければ幸いです。
みなさまのご参加をお待ち申し上げます。

以前このブログにて「ロジカルシンキング」について数回にわたり書かせていただきましたが、今回はロジカルシンキングに必要な「型」となる「MECE」についてお話します。

「MECE」とは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字からとったもので、「モレなく、ダブリなく」と解釈されます。「ミーシー」あるいは「ミッシー」と呼ばれます。ある集団(全体)がモレもダブリもないように分解、分類されている状態を指します。

議論をする上では、様々な要素が絡み合い複雑になることは多々あります。例えば、新規事業のアイデア出しをする際、「ブレスト」と称して参加者から意見をたくさん出してもらうことはよくあることですが、その場で出た意見をすべて検討していてはいかにも非効率です。その先の議論を効率的に行うためにも、「モレなく、ダブリなく」分類していくことが必要となります。

MECEの例として、「人間」を分類してみると

「男性」と「女性」
「10歳未満」「10歳代」「20歳代」…「70歳代」「80歳代以上」

これらの例は必ずどれかのグループに入り、かつ複数のグループに入ることはないので、MECEになっています。そして、このふたつを組み合わせて「10歳未満の男性」「20歳代の女性」…と分類してもMECEになります。

一方、「成人女性」を

「学生」「会社員」「フリーター」「主婦」「家事手伝い」

で分類した場合、これはMECEに該当するでしょうか。

この場合、自営業で働いている女性はどこにも分類されずモレが発生しています。また、会社勤務の女性の場合は「会社員」「主婦」の両方に分類される場合もありダブリが発生しています。したがって、この例はMECEではありません。

MECEで考えることは簡単そうで以外と難しいです。先ほどの「男性」「女性」の分類にしても、もし自社のターゲットが「個人」だけでなく「法人」も含んでいるのであれば、モレが発生していることになりMECEではなくなります。見方によって変わってしまうため、普段から慣れていないと、見落としや勘違いが発生してしまうため、注意が必要です。

ビジネスをする上でMECEに分類することは非常に重要です。商品開発の際に、ターゲットの選定においてMECEが不十分だと、取り込むべきターゲットを見落とすことにもなりかねませんし、調査や分析時に重複による無駄や混乱が発生してしまいます。また、根拠とすべき事項のモレが多いと、導き出される結論の信憑性、信頼性が低いものになってしまいます。上司に説明した際、意見や不備を指摘されて答えられないと、もう一度やり直さなければならなくなります。

よって、ロジカルシンキングにおいて精度の高い結論を出すためには、重大な見落とし(モレ)がないか、同じことが無駄にダブっていないかをチェックすることが非常に重要になります。

しかし、ビジネスにはスピードも求められます。MECEは意外と難しいと先ほど述べましたが、現実的には100%モレなく、ダブリなく分類することは難しいです。また、MECEに分けるのは最終的な結論を得るための手段であって、MECEに分けること自体が目的ではありません。

したがって、本来の目的を再確認してある程度の割り切りを持った上で、上司とも相談、確認しながら、決定的なモレだけはなくすことを意識して進めていくのが効率的であると言えるでしょう。


明日は、HOKUのメンバー、心理学の「K」が担当します。
引き続き、よろしくお願いいたします。

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