手間暇の押し売り
手間暇かけて作りました。是非お召し上がり下さい。
農業界によく流れている言葉です。
手間暇かけた?時間をかけた?栽培するのに時間をかけた?
私はこの手間暇かけたという言葉を使い販売するのは好きではないです。
理由は、
・いかにも頑張ったぞとアピールしているのが嫌
・自分達はブラック企業ですと言っている気がする
・努力をアピールしてどうする
と思うからです。
農業以外にあるでしょうか、この手間暇の押し売りは。
システムエンジニアの人はよく遅くまで残業してソフト作ったり、
納期直前のバグを修復させたりしてますが、ソフト売る時にそんな話はしません。
残業いっぱいして頑張りましてなんて言ったら社会から叩かれますし、労働基準法にも違反します。
手間暇かけて栽培した美味しいお米です。
100人のスタッフが毎日終電まで働いて作ったシステムです。
響きは違いますが、私には同じように聞こえてきます。
スマート農業を推進している世の中になったのに手間暇かけて作りましたとアピールしてどうなのでしょうか。
これはすごい手をかけて作ったんだね、きっと美味しいに違いないと思うかもしれません。ただそんなすごい手をかけて作らないといけない産業を誰がやりたいでしょうか?
手間暇の押し売りは回り回って自分達の首を締めている。そんな気がしてなりません。
とあるフィットネスジムの合言葉、結果にコミット。まさにその通りだと思うんです。結果的に美味しいものが作れればそれでいい、そう思います。
能ある鷹は爪を隠す。とも言いますし、そこをアピールしなくても他でアピールできるんじゃないかと。手間暇は普段の努力。当たり前のものとして全面に押し出すものではないと思います。
農業は手をかければかけた分美味しくなる。よく色んな人に言われます。その言葉は否定はしませんが、時代的に手をそこまでかけなくても美味しく生産できる手法はたくさんあるはずです。大規模農業が推進されるならなお、いかに手をかけず美味しくたくさん生産できるかが大事になってくるのではないでしょうか。
そのためにしっかり考え、現状の分析や色んな方面にアンテナを貼る。これが大事ですね。農業以外にも目を向けたり、海外の情報を取り入れたり、多角的にみる必要もあると思います。
農業=苦労してお金稼いでいるんだね。大変だね。勝って応援してあげなくちゃね。
と、思われるのは、一時的な収入には繋がるかもしれませんが、長い目で見ると農業界の損になると思います。そんな産業誰がしたいんですか?やはりスマートなイメージのIT系に人材は流れていきますよね。
産業を後世に残していくために、農業のイメージ革新に日々取り組んでいきたいですね。
まずは自分の周りから。
理想は楽して儲かる楽しい農業?かな。
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