#010 醤油に白鳥とはこれいかに
2022年のデータによりますと、ハワイイ住民における人種別の構成比はこんな感じ。
全人口比の三割強を占めるアジア系において最も多いのがフィリピン系住民の14.8%で、日系の11.6%を上回っています。
英訳すると一律に soy sauce と表現できるものが、日本の醤油の他にもアジア各国に存在する中、フィリピンにルーツを持つ人たちにとってもそれは欠かせないものであるらしく、トップの写真はオアフ島ワイパフのフィリピン系大型スーパー Seafood City Supermarket ですが、醤油売り場の棚を見よ。ずらりと全て醤油だ。じつに壮観です。
大手3社(Silver Swan、Datu Puti、Marca Piña)の他にも何社かのブランドが並んでいます。隣接する魚醤などの販売棚よりも、売場は広い。
キッコーマンもアロハ醤油も、ここでは見当たりません。そんなものはよそで買え、ってことで、まそりゃそうでしょうな。
でこの写真。「油醤鵝天」と書かれた Silver Swan なるブランドの醤油がどうやら最大のメジャー銘柄であるらしく、もちろん油醤鵝天は右から読むわけで、「天鵝」 がすなわち白鳥を意味するんですね。
じゃあそもそもどうして醤油に Silver Swan なのか?という疑問を抱くんですが、商品の説明書きによれば
「1940年代初頭にマラボンで醤油を製造し始めたのが、シルバースワンの始まりです。
ブランド名 Silver Swan は、マニラのチャイナタウンに小規模な家族経営のベンチャーを設立した元の所有者である故 Sy BunSuan 氏の名前に由来しています」
ってことで、よく分からん。
この文章を何度か読み直してしばらく考えた結果、たぶん、設立者の名前に語感が近くてしかもステキっぽい英単語をなんとなく充てたのかな?という結論に達しました。
サィ ブァン スァン ➡ シルバー スワン ??
フィリピンでは醤油はタガログ語で「トヨ」と通称するそうで、色は真っ黒。味も濃厚で大豆の香りがとても強いとのこと。
日本のたまり醤油と似ているとも聞きますが、わたくしフィリピン醤油の実際の賞味経験がありませぬゆえ、これはいずれ買って試してみないとなあ。
生鮮品から何から、ほぼあらゆる品が、一般スーパーでは目にすることがないものを売っており、この Seafood City Supermarket は異世界で興味深いので、何年か前から、ワイパフを訪れた際には必ず立ち寄るようにしております。
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