AIのべりすと考
AIのべりすと https://ai-novel.com/ というものがある。
小説AIなのだが、これに課金して使ってみたので所感を残してみる。
まずはメリットから。
文章が書ける。
これは説明が必要だろう。
私みたいな行き当たりばったりで物語を作る作家が一番恐れるのは、文章が止まる事である。
たとえば、こんな形で止まるのだ。
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「ねぇ。帰るなら一緒に帰らない?」
放課後、俺の席の前に彼女がやってきて笑顔で言ってくる。
「そうだな……」
鞄に道具をつめて俺は上の空で応じる。
視線の先で幼馴染が俺を見たような気がした。
いつも一緒に帰る幼馴染だが、付き合っている訳でもないと二人して否定したのが一週間前の事。
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ここでの返事に詰まるのだ。
状況は幼馴染との付き合いの長さで友人以上恋人未満で、そこに彼女が割り込んでという三角関係恋愛コメディ。
行き当たりばったりだとまず彼女と幼馴染の設定とキャラの強弱を決めていないから返事ができないというか、ストーリーが作者ですら見えていない。
そんな時に、このAIのべりすとである。
という訳で走らせてみた。
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「今日は少し用事があるから先に帰るよ」
「そっか、じゃあまた明日ね」
そう言って彼女は教室を出て行く。
「……さて、帰るか」
彼女を見送った後、鞄を持って立ち上がる。
すると目の前には見知った顔がいた。
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なるほど。ここでは幼馴染を選んだわけだ。
だったら、そこから先はすらすらと書ける。
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「彼女と一緒に帰ればよかったのに」
幼馴染は台詞とは裏腹にとてもいい笑顔だった。
「さあな。
で、俺は用事があるんだが」
「付き合うわよ。どうせ家も同じなんだし。
帰りにファミレスに寄るぐらいの時間は作れるでしょう?」
前と変わらない日常。
それでも何か少し変わった日常。
そんな事を思いながら、俺は席から立ちあがった。
「奢んないからな」
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気に入らないならば消してまた走らせるといい。
という訳で、やってみた。
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その日から何だか彼女はよそよそしいというか、少し距離を感じるようになった。
「どうかしたの? 今日は何か元気がないね」
「んー、ちょっと考え事をしていてさ」
「私には言えないことかな……?」
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今度は彼女側が押している感じになっている。
ただ、これだと説明不足かな?
という訳で、ここから加筆修正する
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その日から何だか幼馴染はよそよそしいというか、少し距離を感じるようになった。
「どうかしたの? 今日は何か元気がないね」
それに俺が反応しているのだろう、彼女は心配そうな顔をする。
「んー、ちょっと考え事をしていてさ」
「私には言えないことかな……?」
その声は大きくないのに教室内によく響いた。
俺の視線は彼女に向いており、聞こえていただろう幼馴染の方は見えない。
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大体こんな感じで話をゴリゴリと書く事が出来る。
これは、小説家を名乗るようになってさらに意識しているのだが、まず必要な文字数というものが締め切り前に提示できるというのは絶対と思っている。
その後の修正というか肉付け時間も確保できるのは本当に大きい。
先の一文を追及して締め切り落としましたは、もう許されないと心に戒めているからだ。
さて、今度はデメリットの方を書いていこう。
困るのが、複雑な設定にAIが対応できない。
現在、アルファポリスの歴史小説大賞用に書き進めている『忘八侍そばかす半兵衛』https://ncode.syosetu.com/n6727ho/という話だが、走らせると中々愉快なワードが出て苦笑する事が多々ある。
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「酒井雅楽頭様直々の仕事だ」
弥九郎の低い声にも半兵衛のそばかす顔は揺らぎもしない。
いつもの事なので弥九郎は続きを口にする。
「狙うのは、高田藩江戸吟味役の長谷川長兵衛。
高田藩家老小栗美作の腹心で、揉めている高田藩の後ろ暗い金を知っている男だ」
後ろ暗い金、つまり大老酒井雅楽頭忠清への賄賂も知っている男な訳で、高田藩の騒動の裁定に異を唱えている若年寄堀田備中守正俊が探りを入れている今、彼が邪魔になったのだろう。
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走らせた結果こんな文が出た
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「老中稲葉丹後守重通の命を受けた堀田備中守様が調べを進めているらしいが、まだ証拠は掴んでいない。
だが、長谷川長兵衛はもう十日以上前から、行方をくらましている。
恐らく逃げ込んだ先は……」
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誰だよ。稲葉丹後守重通って?
調べたら稲葉重通は安土桃山時代の武将である。
なお、江戸幕府老中には稲葉丹後守正勝がいるので、精度は上がっているとみるべきか。
という訳で書き直し。
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その前に、老中松平定信の覚えがよくない酒井を消そうというのだ。
「酒井を殺せば、酒井とつるんでいた小栗も困るからな」
「酒井を殺した後はどうする?」
弥九郎の言葉に半兵衛は少し考え込む。
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何が困るかと言うとこういうのが一番困る。
松平定信は十一代将軍徳川家斉の時代の老中である。
この事態あるあるなのだが、四代将軍家綱時代には名老中として松平信綱が居るから、一度素通ししかかった。
必ず、出た名前には確認を入れる事をお勧めする。
こんな感じで、AIのべりずとについて語ってみた。
私みたいな行き当たりばったりな作家にとってこれは大いに役立つツールではあるが、最後に強調したいのは、物語を紡ぐのは作者である自分であるという事だけは強調しておきたい。
写真は私が良く行く福岡県朝倉市秋月の秋月城である。
去年の秋の写真であるが、ここは春の桜も奇麗なのだ。
さすがに、この時期だともう散っているが。
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