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【熱い福井】エルパ×あいとらCM制作メイキング~座談会編~

2023年5月24日が、強く記憶に残っている。
「繋がり」が、熱くて、やさしくて、平和なイベントを生んだ日。


福井県民が集う場所『ラブリーパートナー・エルパ』(以下、エルパ)で、30名のエキストラが参加し、新CMの撮影が行われた。

この企画の仕掛け人は、『エルパ』スタッフの山本源さん(以下、源くん)と、敦賀の映像制作会社『株式会社Aithra(読みは「あいとら」)』代表の靏田一登さん(以下、キリトさん)。ともに、『エキセントリック・カレッジふくい』(以下、エキカレ)の1期生で、頼れる兄貴的存在のお二人。

そんな二人がエキカレで出会ったことから、エルパ×あいとらによるCM制作が行われた。


完成した新CMはこちら↓



1.はじめに

今回の記事では、エルパ×あいとらによるCM制作の裏側をお伝えします。エキカレ繋がりで、源くんとキリトさんにお話を伺うことができました。

エキカレでは話の聞き役に徹することが多いお二人のお話を存分に聴くことができる、とても良い機会でした。熱くて、やさしくて、平和で、面白いお話が聴けたので、皆さんへお届けしていきたいと思います!

左上:キリトさん、右上:源くん、下:筆者



2.始まりは「このCM見てください」

〇CM制作の背景

エルパのリブランディングの一環として、地域に根ざしたエルパが今までも変わらず大切にしてきたものを言語化するとともに、ビジュアルも展開していくため、CMを制作。
(エルパのリブランディングに関しては、以下のサイトを参照)


エルパの広報担当の源くんは、CMを制作するにあたり、福井で流れているCMに関して「ローカル感溢れるCMだな」と、地元の千葉で見ていたCMと比べて感じた。

そこで、今回のCMは「綺麗な映像で想いが伝わるもの」にしたいと考え、エキカレで繋がったあいとらに相談してみたという。


〇7ヶ月前、鯖江のモスバーガーで

CM公開の日から遡ること7ヶ月前、エキカレ12月合宿で来ていた鯖江で相談していた。

鯖江のモスバーガーで集まった二人の話は、「このCM見てください」という源くんの言葉から始まる。

源くんはエルパの広報担当として、これまでもCMを作ってきた。しかし、実力不足で自分が作りたいものが作れない。都市圏で流れているCMみたいなものを作りたいのに、地方CMを自分自身の手で生み出してしまっていたという。

この状況が悔しくて変えたい!と思い、源くんの頭の中のイメージに近い映像=人がかわいく映る映像を多く手がけているあいとらに声をかけた。
そこには、「エキカレで知ったキリトくんの活動を一緒に盛り上げる機会が欲しい。キリトくんはもっと福井で幅広く活躍するべきだ。仕事として対等に持ち上げられるようにしたい」という想いもあったそう。


一方、あいとらのキリトさんの想いは、2つ。

まず、CMの映像に対するストレートな意見をぶつけてくれたのがキリトさんにとってのキーになった。

あいとらは映像を制作する立場として、カッコ良くて、オシャレで、素敵な映像になるようにこだわっているけど、見た人が良いと思ってくれるようなものを作らないと自信を持ってお金をもらえない。常にそう思っていたところに、源くんがストレートに言ってくれたから、「カッコいいものを作ろうぜ」という想いがエネルギーとして一番最初に生まれた。

また、キリトさん自身が小さいときから、3兄弟揃って習い事がない日曜日に、家族揃って車で下道一時間半かけ、エルパに行っていた。キリトさんはこの記憶から、エルパが大事にしている「全年齢の人たちがいつも足を運ぶ場所」というメッセージに共感。県外の制作会社だと作れないであろうものを作りたいという想いがあった。

CMに対する源くんのストレートな意見から、二人の想いが重なり、CM制作が始動する。



3.閉店後のエルパに集まったエキストラは30人!

〇エルパ史、福井史に残る撮影

撮影には、30人ものエキストラが集まった。
こんなに大人数の撮影は、エルパ史でも、福井史でも他に類を見ないという。

通常、CMを制作するにあたって大人数のエキストラに入っていただくのは、人が増える分大変だし、お金もかかるし、そもそも福井で募集してそんなに集まるのかも分からないから、皆が避けたい道だ、というキリトさん。今回のCMでもはじめは、エキストラを呼ぶ、という考えはなかったそう。


エキストラに入ってもらうという案は、源くんの考えから生まれた。

あいとらのチャンネルをもっと盛り上げるには、CMの公開時にシェアしてくれる人や根強く応援してくれる人が必要。そういう人を増やすため、「自分が参加したCMならシェアしたくなるだろうな」と考えて、たくさんの人にエキストラとして関わってもらうことに。

これは、三方良しの考え方になっている。
あいとらは、シェアしてもらえるし、ファンを増やせる。
エキストラ参加者は、滅多にない機会で楽しい時間を過ごせる。
エルパは、CMをたくさんの人に見てもらえる。

周りを冷静に見て、人への思いやりを持った行動をとるのに長けた、やさしい源くんならではの策だと思う。

このアイデアを実現するためには、エキカレの統括ディレクター・寺井COD(福井県庁チャレンジ応援ディレクター)(以下、寺井さん)の持つ力とたくさんの人脈が欠かせなかった。


〇「大変さ、面倒くささを度外視して、楽しいこと、面白いことを!」という動き

「寺井さんはガチですごい」

これはお二人が揃って口にする言葉。

ここで、突然出てきた寺井さんのことを少し紹介しておく。

寺井優介さんは、福井県庁に勤める公務員。県知事から特命された『チャレンジ応援ディレクター』として、1年間で300人以上の県内で活動する若者と会い、そのチャレンジ応援や情報発信を行う業務に取り組んでいる。また、源くんとキリトさんが出会うきっかけになったエキカレも、寺井さんが中心メンバーのひとりとして手がけている事業だ。


今回のCM制作でも、寺井さんの存在が欠かせなかった。

エキストラとしてこれだけの人数を集めるための人脈。
大人数が集まった撮影現場をちゃんと回していくための、エキストラの良い見本としての立ち振る舞い。

そして、寺井さんをはじめとして、そのまわりで巻き起こっている「大変だとか、面倒くさいなんて関係なくて、楽しければ良いじゃん、面白いことに向かってぶち上げよう!」という動き。


今回のCMでも、普通なら避けていたであろう「大人数のエキストラに協力してもらう」というアイデアをイベントとして実現させてしまった。

このような寺井さんの支えがあったおかげで、CM撮影が「単なる撮影」から、誰でもエキストラとして参加できる「特別なイベント」に昇華され、みんなで作った感が生まれ、本当の想いが乗った映像になったのでは、とお二人は語る。

列の先頭を歩く寺井さん



4.大人たちの熱い思いがこもったCM

〇夜中23時のLINE

「これが終わっちゃったらどうしようかな」と、少し寂しそうな笑顔で源くんは言う。

結構な熱量を持って取り組んだ仕事で、業務外の時間もCM制作のことを考えていたほど楽しかった。色々な仕事がある中、楽しいものばかりではないけど、この仕事が息抜きになっていた、と振り返る。


キリトさんは、思い出に残る動画を何本作れるか、が映像制作の一番面白いところだと考えている。今回のCMでは、表では分かりにくいけど、たくさんの人が関わっていて、熱量がかかっていて、思い入れも強い。間違いなく、後々残っていくような、この動画面白かったなと思ってもらえる動画になったと語ってくれた。


源くんが、楽しかったしありがたかった、と思い返すのが、夜中23時にLINEを送っても嫌だと言わずに返してくれたキリトさんとのやりとり

源くんが「これ良いと思う」と送ると、「そっちも良いね、でも今回はこっちの案でいきたい」というような返信がキリトさんから返ってくる。そんなやりとりができたり、少しワガママを言えたりしたのは、「キリトくんなら良いものを作ってくれる」という信頼があったからこそ。

キリトさんも、23時に「これ良くないですか」とLINEを送ってくるのは熱量がこもっていないと絶対やらないことだと思っていて、そんな人間ばっかりが集まって仕事できたのがめっちゃ良かったと言う。



5.おわりに

〇恩返し

源くんとキリトさんのご希望で、この部分ではお二人の想いを、記事を読んでいる寺井さんに向けて伝えることにします。

エキカレ1期生(前列、左から2番目が寺井さん)

寺井さんはたくさんの人のチャレンジを応援している中でも、自分たちエキカレ1期生のことに関してトップレベルで良くしてくださっている。すごく近い距離で期待してもらっていると、何かしらお返ししたくなる。

その恩返しとしてお二人は、「寺井さんがきっかけで、今までになかった繋がりができて、新しいものが生まれた」というものがあれば、それが寺井さんにとって一番嬉しいのではないかと考えた。


そんな源くんとキリトさんが、寺井さんに伝えたいと言うのが「寺井さんのおかげでちゃんと繋がってましたよ。応援が繋がって少しずつ形になってますよ」ということ。


寺井さんのやっていることは目には見えにくいけど、寺井優介という人じゃなかったら、今のような効果は絶対に起きていない。
これは本当にすごすぎることだけど、そんな「すごすぎる」を表現するには、寺井さんではなくて、その恩を受けた周りの人たちが発信していくのがやりやすいと考えていて。そのひとつとして、今回のCMを作ることができたかなと思う。

でも、これで満足する訳ではなく、これをきっかけにどんどん勝手に作っていくから見とけよ!と、キリトさん。

源くんも、寺井さんのすごさが分かっていなかったり、寺井さんを甘く見ていたりする人が多すぎる!という。今回のCMは、もちろん寺井さん以外にもたくさんの人のお世話になりながら作ったけど、自分が作ったんだぞというよりは、「寺井さんが作ったんだぞ」というくらいに思っていて、この良い映像の裏側には寺井さんがいたことをちゃんと伝えておきたい。


寺井さんは応援に夢中になりすぎて、自分が種を蒔いていることに気づいていないのかもしれないけど、今回完成した映像を見て、「あ、種を蒔けていたんだ、そこから芽がちょっとでも出ているんだ」というのに気づいてもらいたい、と源くんとキリトさんは語ってくださいました。


〇結び

このようにして、寺井さんがエキカレで結びつけた源くんとキリトさんの「繋がり」から、お二人の熱くてやさしい想いが込められ、エキストラとして下は0歳から上は60歳まで「誰でも参加できる」イベントが行われ、エルパの思いとも合致した、平和なCMが生まれました。

エキカレ合宿でのお二人

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
そんな想いがこもったCMを、ぜひお楽しみください。

7月11日(火)20:00〜
下記の『あいとら / Aithra』YouTubeチャンネルにて公開!

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