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フランスの子どもは夜泣きをしない|Pamela Druckerman著, 鹿田昌美訳

アメリカ人でジャーナリストの著者が、パリで出産育児をする中で気づいた、フランスの子育ての暗黙知的な部分を記録した書籍。

Twitterでおすすめと見て読んだのですがとっても良かった。

邦題だと「夜泣き」がフォーカスされているけれど、英語原題は「French Children Don't Throw Food - Parenting secrets from Paris - 」

夜に泣く、食べ物を投げる、日本とアメリカにより親の困りごととしてピックアップされている部分は違うけれど、

それらの困っていないように見えるフランス流子育ての根底に貫通している態度として「Attend」と「Cadre」があるようだ。

Attend…Wait. 待つ.
Cadre…Frame. 枠組み.

何人かのフランス人の親に、子供のしつけ(discipline)について尋ねた時、相手は、その意味を理解するだけで週数秒かかった。「ああ、子供にどうやって教える(education)」か、と言う意味ですか?」と相手は言った。

p.16 序章「フランスの子どもは食べ物を投げない」

では、コーエン先生はどうやって、トライベカの赤ちゃんに「ちゃんと夜を過ごす」ことを教えているのだろうか?「最初にアドバイスするのは、赤ちゃんが生まれたら、夜にすぐに明日はやめてください、と言うことです。赤ちゃんにすぐに応じずに、赤ちゃんが自力で落ち着くチャンスを与えてやる。生まれたばかりの時から、そうするのです」

p.58 第3章「フランス人の赤ちゃんは朝までぐっすり眠る」

アレクサンドラは優しくて温厚な人だ。新生児を無視したのではない。むしろその反対で、注意深く観察していたのだ。

p.61 第3章「フランス人の赤ちゃんは朝までぐっすり眠る」

騒いだ子供に「静かに」とか「やめなさい」と注意する代わりにフランス人の親たちは大抵、鋭い声で、「attend(待ちなさい)」と言う。

p.79 第4章「 お菓子づくりは教育の宝庫」

フランス人の親が子供に「sage(賢くしなさい)」と言うのを、よく耳にする英語の「be good(いい子にしなさい)」に近い意味だが、それ以上の含蓄がある言葉だ。

p.81 第4章「 お菓子づくりは教育の宝庫」

しばらくして私は、AB人の子供をフランス人が表するときに、大抵が「n'importequoi(好き勝手)」と言う表現を使うことに気がついた。子供は、(とした「線引き」がなく、親が権威を書いており、どんなことでもまかり通る。それはフランス人の親が理想とし、口にする「cadre(枠組み)」の正反対だ。子供たちは、厳密に定められた「現場」、つまり枠組みを持っている。でも、制限された額の中では、たっぷりと自由に行動できるのだ。

p.89 第4章「 お菓子づくりは教育の宝庫」

保育士は子供に「権利」と言う言葉を使いながら、おだやかに礼儀正しく話しかける。「あなたには〜をする権利があります」「あなたには〜をする権利がありません」と。

p.112 第5章「 保育所はすばらしい」


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