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たかが1週間。されど一週間。

1週間。

あなたにも、そして私にも平等に訪れた長いようで短い時間。

ぼんやり過ごせばあっという間。
しかし、一生懸命に過ごせば、やれることは結構ある。
というお話。

今日、日本プロ麻雀連盟北海道本部が主宰する「帝氷戦」の第4節が行われました。

本日の4回戦目。
先週の吉田祥子・かわいめぐみ公式ルール勉強会で一緒になった若い子と同卓したのです。

その若い子、勉強会では喜多本部長から所作やお約束事のレクチャーを受けていました。
まだ慣れていないようで、積み棒を出し忘れていたり、取り出しの場所を間違えてみたり、とにかく余裕のない様子だったように記憶しています。

無理もないでしょう。
私も若い時分は土田先生や喜多さんと同卓したら、過度に緊張して頭の中が真っ白になった…なんて経験は幾度もありますから。

喜多さんからアドバイスがあった件以下のとおりで、
・自分が親の時のサイコロボックスの管理と積み棒の明示
・トイ牌(壁牌をみんなが取りやすいように中央へ寄せること)の励行
さらに、私が恐れ多くも指摘させていただいたことで、
・下家が見やすいように牌を切ること
と、以上3点が宿題となっていました。

あれから1週間が過ぎて今日の帝氷戦で彼と再会しました。

ゲームが始まり、彼の手元に注目してみると、牌の切り方がしっかりと変わっています。
先週は、牌を切る際に右手の小指が残ることで下家から見づらい切り方だったのが、今日はたどたどしいながらもきちんと改善されていましたし、トイ牌は少しタイミングが遅いながらも意識出来ていたし、さらには親番のお仕事も全く違和感なくこなすことが出来ていました。

麻雀における所作は、一朝一夕に変えられるものではありません。

不幸にして最初に麻雀を目にした環境が悪ければ、悪癖が身についてしまう。
家族麻雀を眺めて麻雀を覚えた私がまさにそれで、二十数年気を付けてはいるものの、対局に入り込んでいると未だに強打癖が出ることがありますから、その苦労は痛いほど知っています。

ただ、裏を返せば覚えたての頃にその悪癖を指摘されて気が付くことが出来たらしめたもの。それはものすごくラッキーなことだと私は思いますが、札幌で見かける打ち手の多くは残念なことに、何年も打っているらしい人でも点棒の払い方ひとつまともに出来ない打ち手もいるのが現実です。

「1週間、毎日牌を触っていました。まだ上手に出来ないんですが…。」

照れくさそうに話していた彼でしたが、たった一週間で、人間こんなに変わることが出来るものですか…と、本当に感心しました。

あ。
思い出した。
第10期最強戦の店舗予選を勝ちあがった際、弱冠二十歳の千嶋青年は、
「練習台になってください。」
と、無礼にも土田先生、喜多さんを道場に呼び出し、半荘4回も打ってもらったことがあったっけ…。

今考えると信じられないでしょう?
けれど、当時の札幌には「若手を育てよう」という機運が高く、私の世代の打ち手は土田先生と喜多さんの加護の下、麻雀のことをはじめ、所作や礼儀、さらには精神論と様々なことを学ぶ場が与えられていました。

時は流れて、人も変わって。
世の中が世知辛く変わってきた昨今ですが、こうした「成長の場」は形が変わったとしても札幌に残し続けていかなくてはならないと私は考えます。
そして、土田先生や喜多さんがそうしてくれたように、その場で育った私は受けた恩を後輩に託していかなくてはならない義務があるように感じています。

自分も打ち手の一人として、若い子に混ざってみっともなくもがいていますが、その気力が続く内に、何かできることがあれば良いのですが。

それにしても、公式ルール勉強会がきっかけで、こんな素晴らしい場面が観られるなんて…。

成績は相変わらず散々でしたが(笑)、佳い一日でした。

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