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World Roller Games 2019開幕!インラインホッケーについて調べてみました。

このnoteでは、出場される日本代表選手の皆さんの情報などは一切網羅していませんごめんなさい!!
▼選手情報等はぜひこちらでご確認ください。

はじめに。

6月28日からスペイン・バルセロナで開催されている「World Roller Games 2019(WRG)」というローラースポーツの祭典をご存知でしょうか?

ローラースポーツとは、ローラースケート靴を履いて行う競技のこと。 スピードスケート・ローラーホッケーなどのほか、インラインスケートで行うホッケーやスケートボードも含まれます。
また、ローラーゲームとはタイトル通り、ローラースケート靴を履いて行う競技のこと。Wikiでは『ローラースケートをはいてトラックでおこなうエンターテイメント性の強いチームスポーツ、チーム格闘技である。』と記載されています。
WRG2019は11種目の競技で競われるのですが、今回のnoteでは『インラインホッケー』にスポットを当てて書いています。
そもそもインラインホッケーに関する情報があまり多くなく、正直わかりにくかったのがきっかけ。でも調べていくうちにこの競技がどういった組織で成り立っているのかがわかってきて、その複雑さに面白さを感じてしまいました(笑)。
競技そのものの面白さは、WRG2019の(おそらくあるであろう)ライブ配信をぜひ観ていただいて、直に感じていただくのが一番ですので、ここではまず先に、知っておくとちょっとした雑学王かも?というプチ情報をお届けしたいと思います。


知らなかった!インラインホッケーを統括するのは2つの組織。ルールも2通り存在する!

(抜粋1)インラインホッケーの国際競技団体としては国際ローラースポーツ連盟(World Skate・旧FIRS=IOC、IWGAに加盟)と国際アイスホッケー連盟(IIHF)が存在し、それぞれルールを定めている。インラインホッケーは国際オリンピック委員会後援ワールドゲームズ正式種目だがこれは国際ローラースポーツ連盟のものである。

(抜粋2)国際的なルールが二つ存在し、またリーグや地域によっては国際的なルールとは異なったルールで試合を行う(パックではなくボールを使用する等)等、国際的に統一されたルールは存在しない。(2019.7月現在)


調べ始めるとまずここで「!?」となるのですが、こちらのサイトでも同様のことが書かれており、

(抜粋)インラインホッケーの公式ルールは、「WORLD SKATE」と「国際アイスホッケー連盟(IIHF)」がそれぞれ制定しており、国際的に統一されたルールはありません。
ワールドゲームズ(今回開催されるWRGのこと)で使用されるルールは「WORLD SKATE」が制定しています。

★WORLD SKATE REGULATION(ワールドスケートの規約集ページへのリンクです。)
http://www.worldskate.org/inline-hockey/about/regulations.html

・Roller Inline Hockey RULES OF THE GAME(英文のルールブック)
http://www.worldskate.org/inline-hockey/about/regulations.html?download=1695:world-skate-2017-rule-book

・うまくアップロード出来るかわかりませんが、日本語で自動翻訳されたPDFをUPしてみます。

【マメ情】
ちなみに、英文PDFは一度ダウンロードして保存し、DocTranslator(https://www.onlinedoctranslator.com/ja/)というサイトで日本語PDFへ変換すると若干読みやすくなります。日本語訳が完璧ではありませんが、本文のレイアウトを崩さずに読めるのでとても便利です!


ではIIHFのインラインホッケールールはどうなっているのでしょうか?
こちらです。

★IIHF Rule Book(IIHFの規約集ページへのリンクです。)
http://webarchive.iihf.com/iihf-home/sport/iihf-rule-book/

・IIHF INLINE RULE BOOK(英文のルールブック)
https://staging.new-iihf.com/IIHFMvc/media/Downloads/Rule%20Book/IIHF_INLINE_Rule_Book_2015-18_web.pdf

・うまくアップロード出来るかわかりませんが、日本語で自動翻訳されたPDFをUPしてみます。

では具体的に、この2つのルールはどこが違うのか?が気になってきませんか?きますよね(笑)?
主に違う点は次の通りです。

①試合時間
WSルールでは20分×2回の前後半戦。
IIHFルールでは12分×4クォーター。

②ラインルールの有無
WSルールはラインルールがない。
IIHFルールはオフサイド(センターライン跨いでのパス)、アイシングがある。

③ゴールサイズが違う
WS基準は高さ105cm、幅170cmである。
IIHF基準は高さ112cm、幅183cmである。
また、選手さん情報によりますと、ゴールポストの太さも若干違うとのことです。(下図から察するに、おそらくWS基準では太さ7.6cm、IIHF基準では約5cmと思われます。)

前述した通り今回のWRGではWSルール、つまりWORLD SKATEルールが適用されますので、バルセロナでは試合時間20分×2、オフサイドやアイシングなどのラインルールがなく、ゴールサイズもより小さな状況での戦いになる!と覚えておいてくださると良いかと思います。


閑話休題。ではそのWORLD SKATEっていう組織、そもそも何?

WORLD SKATE=国際ローラースポーツ連盟(旧FIRS)のことです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E9%80%A3%E7%9B%9F

ここまで読んでいただいてわかる通り、このnoteにはIIHF、FIRSなどの横文字組織略称が山のように出てきます。たぶんそれをきちんと把握できると全体像がわかりやすくなります。

このFIRSすなわちWorld Skateの生い立ちがなかなか面白いのでこちらも抜粋します。

(抜粋)FIRSは当時、スケートボード競技の最大勢力国際スケートボード連盟ISFの存在がありながらスケートボード種目を始める。 2016年、IOCは2020年東京オリンピックではFIRSのスケートボードを追加種目として実施することを決定する。
ISF会長のゲイリー・リーム(Gary Ream)はオリンピックのスケートボードにその歴史や文化を知る自分たちが関係しないのはよくないとIOCFIRSと盛んに接触するようになる。
2017年9月、FIRSは総会で東京オリンピックに向けて団体への参加を表明したISFとの統合、ワールドスケート(World Skate)に改称を決定。
リームはワールドスケート・スケートボード委員会委員長に就いた。

…要するに、最大勢力だったスケートボード連盟ISFとは別に立ち上がったFIRSが国際オリンピック委員会IOCと仲良くなって、ちょ、待てよとなったISFが最終的にはFIRSと統合し、組織名をWorld Skateにしましたよ、と。

こうしてわかってくると、IIHFとはまったく関連性のない組織なんだなぁ、と思うと同時に、インラインホッケーが2つの組織に統括されていること、ルールが2つ存在すること、も深く頷けますね。

これらを踏まえた上で、日本のローラースポーツを統括されている日本ローラースポーツ連盟JRSFの組織図を見てみると、所属の流れのようなものが見えてきますね。

そもそも何故自分がこんなにも組織のことを調べたかというと、インラインホッケー日本代表にはアイスホッケー日本代表の選手の方もおられるからなんです。アイスホッケー日本代表はJIHF(日本アイスホッケー連盟)の管轄と認識していますので、WRGがIIHFの主催なら不思議ではなかったのですが、WORLD SKATEの主催で、IIHFが絡んでいない…となると、JIHFとJRSFの間にどういう相互関係があって、組織間を超えて選手を登録することは出来るのか…??などという結論としてはまったくトンチンカンな出発点から始まってこのnoteに至っています。(笑うところです。)

ちなみにその好奇心に対しての肝心の結論ですが、『多分全員がJIHFとJRSF両方に登録している』との情報が寄せられました。納得です。
組織間上での面倒な手続きなど存在しないのですね(笑)。(たぶん)


▼でもせっかくこれらも調べましたのであえて載せておきますよ。
読んでみるとけっこう面白いです。

・JRSF 定款・規定・財務諸書
http://jrsf.or.jp/about/provision/
・国際競技大会派遣・国際間の交流に関する規程
http://jrsf.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/03/provision_010.pdf

・JIHF 公益財団法人日本アイスホッケー連盟概要 諸規程
https://www.jihf.or.jp/about/rule.php
・公益財団法人日本アイスホッケー連盟 定款施行細則
https://www.jihf.or.jp/image_data/RULE/4_1.pdf
(第39条にアイスホッケーとインラインホッケーの登録は、重複登録とみなさないものとする、とあります。うまく出来てます。)


個人的に気になったIIHFのNEWSについて。

また、これも今回インラインホッケーについて私が調べてみようと考えた要因のひとつでもあったのですが、2019年6月24日のニュースでIIHFはインラインホッケーを統治しなくなる旨の発表がありました。それと共に予定されていた世界選手権も中止になったようです。

(抜粋)The IIHF will not govern inline hockey anymore. That also means there will be no more Inline Hockey World Championship organized by the IIHF. The event planned in 2019 was cancelled earlier due to lack of applicants for hosting it.
(IIHFはインラインホッケーを統治しなくなります。これはまた、IIHFが主催するインラインホッケー世界選手権が開催されなくなることを意味します。 2019年に予定されているイベントは、それを主催するための申請者が不足していたために早くキャンセルされました。)

このニュース、最初は何のことかわからなかったのですがここまで調べたことと照らし合わせると、IIHF主催の世界選手権はなくなり、WS主催のWRGはこれまで通り開催されるということかな、と。
それでも1つの組織が手を引くということは今後どんな状況になるのかやっぱり少し心配です。

ところで調べていくうちにじつは、World Roller Games、World Championshipとはまた別に、4年に1度 The World Games(TWG)という大会がありますよ!と教えていただきました。

あれ、まさかのまた異なる横文字の出現(笑)。

Organizers IWGA

あれ、しかもまた異なる組織名が(笑)。
ちなみにこちらの大会の日本の統括組織はJWGA(日本ワールドゲームズ協会)です。

IWGA加盟団体競技一覧を見るとWORLD SKATEが加盟しているので、インラインホッケーはいよいよこの一団体で大きくしていく過程に入るのかな、という印象が強くなりました。日本でもプロモーションなどにも少し力を入れれば、もっとインラインホッケーは広まるのではないかと個人的には思っています。(ちょうどアイスホッケーシーズンがオフの時期に大会がありますしね!)
いずれにしてもこの大会でも、日本からの出場こそ今のところありませんがインラインホッケーは競技としてあります。
次回は2021年にアメリカ合衆国・バーミングハムで開催されるワールドゲームズ2021だそうです。


World Roller Games 2019 お役立ちリンク集

ここまであんまり役に立っていない当noteですが、最後に少しでも何かの足しになれば(笑)。


MEN´S&WOMEN´S INLINE HOCKEY WORLD CHAMPIONSHIP
TEAM ROSTERS

MEN´S&WOMEN´S INLINE HOCKEY WORLD CHAMPIONSHIP
GAMES/STANDINGS

↓ ライブスコアも下記リンクページ内から当日見られるようになりますのでお見逃しなく

(試合開始時間は現地時間。現地時間よりも7時間時計を進めると日本時間になります。)

Rollergames TV
Live Streaming Schedule

(7月3日現在、詳しいライブ配信情報はわかっていません。わかり次第更新します。)


終わりに。

ここまでお読みいただき本当にどうもありがとうございました。
結果的に、「どこの組織オタクが何を調べたの(笑)?」という内容になりました!ごめんなさい!何か書こうと考え始めた頃はこんなはずじゃなかったのですが。

でもこう見えてやっぱり根底には、「インラインホッケー日本代表のみなさんを応援したい!」。この一心しかありません。私はアイスホッケーもインラインホッケーも好きで、そして何より選手の皆さんが大好きです。
このnoteを書いている翌日(7月4日)にいよいよ選手、スタッフのみなさんはバルセロナに向けて出発されるとのことです。
旅の安全と、多くの勝利と、帰国のご無事までを心から願っています。
とにかく怪我なく。最高の笑顔が見られれば。

また、このnoteを書くにあたりまして、調べる範囲ではわからなかったことなどをインラインホッケー日本代表主将・西永 健太郎選手に質問させていただきました。西永主将には、移動直前の大変お忙しい貴重な時間をいただき、大変わかりやすくご回答いただきましたことを心からお礼申し上げます。
どうもありがとうございました!


本当はまだまだインラインホッケーに関してはMHL(Misconduct Hockey League)やNARChのことなど書くべきことがあるのですが、とりあえず今回はここまでです。
あまり情報が多くありませんが、国内でもインラインホッケーを観戦できる機会はあります。その辺も今後、今よりもう少し多くの方に興味を持っていただければ環境は変わっていくのではないでしょうか。

調べた内容に関して、もしかすると誤りや勘違いがあるかもしれません。
その場合はコメントなどからご教授いただけると有り難いです。
よろしくお願いいたします。


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