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羅臼昆布漁師の心意気のこと。

下の写真は、海から上がったばかりの、羅臼の養殖昆布です。

幅、広ーい!両脇は真っ直ぐではなく、なんとなくギザギザ。これが、まっすぐになります。

らうす1

らうす2

味が濃く、お値段が張る羅臼昆布。料理の味がなんとなく足りないときに、ちょこっと入れたらググッと味が決まる、頼りがいのある料理の相棒です。

しかも柔らかくなりやすいので、そのまま具として食べられる。小さく切って売っているのは、何にでも使える優れものの調味料なのです。姿はひっそりしてるんだけどね、できる子!

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テーマ写真のぴしっと姿も美しい昆布は、羅臼の漁師、大友竜治さんから届いたもの。昨年の今頃、礼文島の高校生の授業で、彼らに羅臼昆布出汁を味わってみてほしいと相談したら送ってくださったもので、2019年産の養殖昆布です。

味見しようと、切った昆布に熱湯を注いでじわじわ冷ます、こちらの方法で出汁をとりました。出汁がらをそのまま使うのに楽な方法です。滑るのを切らなくていいから。

なんと、お湯をかけて数秒で香りが立ちました!!!

冷めてくる時間とともに、どんどん出汁がでます!!!

昆布の養殖は、オーガニック農業のようです。

赤ちゃん昆布を植え付けたロープを海に放ち、雑草をとったり、流氷が来るとなると被害を受けないように沈めたり。適切なお世話をすること2年。それから7月からの決まった時期に漁をします。

水揚げしたら、その日に乾燥。から始まって、乾かしたのに夜露にあてて湿りを入れて巻いて、それをほどいて伸ばして、重ねて重し石を乗せて休ませて…。と、なんと23工程を重ねます。

1巻き

2のばす

なぜ、そこまでやる??

ここで歴史を振り返ってみましょう。

羅臼への本格的な入植は、明治30年代、記録的な不漁に見舞われた富山県黒部市生地の漁師達でした。働き者で、鱈の漁の仕方など知識にも富んだ彼らは、「越中衆」と呼ばれ、先住者達にも頼りにされていきました。彼らは、羅臼昆布についても、そのポテンシャルを引き出すための加工を考え工夫を重ねました。
その漁師達と子孫達は、
自然の恵に、そのチカラが最大に引き出される工夫をして、羅臼昆布を世に出し続けました。

面倒でも、大変でも、やっぱりこれだな!と生み出され、受け継がれてきた知恵と技。世界でここにしかありません。
まさにテロワール。

大友さんは「自分はまだ40代です。これから20年~30年、昆布漁師を続けて、今の羅臼昆布の旨みを残していきたいですね」と言います。

授業から1年たって、大友さんの言葉に重ねて感動して、
羅臼のみなさんに、会いに行きたくなりました。

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この誇らしい顔!素敵ですね。













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