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その名のとおりの大きな大きなキャベツ

それは札幌大球。キャベツから赤ちゃんが生まれてくるという言い伝えがある国があるそうだけど、「札幌では赤ちゃんはキャベツから生まれます。」と言ったら信じてもらえるかもしれない大きさです。

ほらね?  赤ちゃんより大きいし。1個10~15キロ!!!

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どうしてこんなに大きくなったの?物語はこちらへ。

それは、開拓の歴史とも重なっています。冬の間保存できる、生きるための野菜を確保することは必須でした。
キャベツが北海道で栽培されるようになったのは開拓の初めの時期。アメリカから3種類のキャベツの種を輸入したのです。どれがこの地に合うのか。
どの種類の掛け合わせで丈夫で収量のある種ができるのか。
そうするうちにできたのが、この、どでかいキャベツ。
外の葉が凍ったり傷んでも、中は大丈夫なのだから、想像してみてください。札幌の民は、どんなに満足だったことでしょうか。

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切ったらこんな感じ。ふつうに中までキャベツです。

冬の保存食といえば、漬物です。冬の北海道の漬物といえば、にしん漬け。今頃漬けて、大晦日に蓋を開けたら薄く凍っていて、暖かい部屋で凍ったところも食べる、というのが私のこどものころの楽しみでした。
今は、いつも買うのは、このにしん漬け。おいしいんですよ。

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さて、札幌の家庭でのにしん漬け作りに札幌大球は人気ものでした。
ところが、住宅事情が変わったり、家族の人数が変わったり、家事の内容が変わる時代の変化の中で、大球を使って漬物を作る人が少なくなり、需要は減りました。
しかも重い。生活の変化に、収穫のしんどさとがあわさって、あわや消滅の危機へ。。そんな中、JAが中心となり平成26年から札幌市での栽培が復活。市民応援団もできました。甘くておいしいし、そのインパクトの強さにじわじわと人気が出ています。

その札幌大球で、焼きそばを作りました。

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昆布ベーコンを空焼きして脂を出し、ざくざく切った大球を炒めて焼きそばを作り、オタフクソースで味付けしました。何これ美味しいっ!
札幌市内のお好み焼・風月ではシーズン初めに期間限定で提供しています。

この間、デパートの野菜売り場で生唐辛子が売り切れでがっかりしていた方に、「にしん漬けのためですか?」と聞いたら、
「そうなのよ、にしん漬け。」と。
「大球で?」と私。
「そうそう。やっぱり大球がいいのよね。味が違うのよ」
札幌の土と風土に合っていたからこそできた、
大きな大きなキャベツの良さは、
こうして市民の中に生きているのでした。

写真を提供してくださったのは札幌・宮の森のフーズバラエティすぎはらの店長杉原さん。おいしいものパラダイスですよー。





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