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曲履歴書

<プロローグ>

 講談社文庫で「小説履歴書」というキャンペーンがありました。

 今まで読んだ小説三つを選んで、それを紹介するものでした。

 吟味して選んで応募しました。

 とてもワクワクして楽しかったです。

 これを「曲」でやってみました。

1. シェリーに口づけ

 1972年、当時14歳で中学二年生の私はラジオから流れてきたこの曲を耳にした途端、今までにない高揚感に包まれました。
 このEPレコードのジャケットは鮮やかな黄色で、ミッシェル・ポルナレフが素敵なイラストで描かれていました。
 今でも、テレビのCMやラジオからこの曲が流れてくると無性に嬉しくなります。

2. フィーリング

 1977年、当時18歳で高校三年生の私は入試が終わって、帰宅途中のレコード店から流れてきたハイ・ファイ・セットのこの曲に聴き惚れました。
 入試が終わってホッとした気持ちの記憶がそうさせるのだと思いますが、この曲を聴くと今でもあの時を思い出します。

3. 3月9日

 2005年、46歳の誕生日にラジオから流れてきたこの曲を聴いた時、長年の何かから解放された気持ちになりました。
 レミオロメンありがとう、と思いました。
 中学生からの学生時代、誕生日は定期試験の期間中。ずっと暗い気持ちで誕生日を迎えていました。
 社会人になっても、ずっとこの感覚が残っていました。
 それがこの曲で一掃できました。カラオケで自分の持ち歌にしたかったのですが、歌唱力がなくできませんでした。残念無念です。
 今は誕生日に、この曲をラジオで何回も聴けるのでうれしい限りです。

<エピローグ>

 曲でも小説と同様、ワクワクして楽しく、面白かったです。
 この三曲は、私の人生を彩っています。
 
 このエッセイの最後に故キダ・タロー氏が軍歌のことを生前「人を本当に自分から死に追いやるような恐ろしい音楽で、未だに私はこの謎を解決できない」と語っておられたことを記しておきたい。                     
                 <了>