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隔世遺伝

 十歳の孫息子が花粉症になってしまった。

 突然、続けてクシャミをした後、鼻水と涙がポタポタと滴り落ちた。

 私が、三十歳の時に発症した時と同じ状況だった。

 すぐさま受診した。

 やはり、花粉症だった。

 孫の母親である長女は花粉症ではない。

 残念ながら孫に隔世遺伝してしまった。

 「似なくて良いところが似る」は、けだし名言である。

 孫には「花粉症」という変なものを受け継がせてしまって申し訳ないという気持ちと同時に、変な所でも似てくれてうれしいという気持ちもあり、妙な祖父冥利に浸っている。

                 <了>