見出し画像

ホウカンTOKYOの森【人生の卒業旅行】参加者の声まとめ

ホウカンTOKYO杉並・中野主催で、定期的に開催している学習・交流企画「ホウカンTOKYOの森」。

ホウカンTOKYO杉並・中野スタッフ、緩和ケア認定看護師の河野佳代がリードして行うワークショップ「人生の卒業旅行~逝こう、過去と未来を結ぶいのちの旅へ~」。

「人生の卒業旅行」とは…
アメリカのホスピスで行われている教育プログラムである「死の体験旅行®」をベースに作られたプログラム。自分にとって大切なものを書き出し、病から死までの物語の中で手放していくという過程をとおして、自分にとって大切なものが何かを見つめなおし、日々の暮らしの中や人との関わりに生かしていくための死の疑似体験です。

8月~12月の間に、人生の卒業旅行は計6回開催されました。「死から生を見つめ直す」そんなワークショップには、多くの医療・介護の従事者の方にご参加いただいています。

今回は、これまで参加した方から寄せられた「声」をまとめました。

参加者からの声

病になって迎える死の過程と、老いによって迎える死の過程では、失うものも違うのかなぁと目の前の方に思いを寄せることができました
自分がどんどん出来なくなっていく辛さ、色々な事を手放す喪失感を、そばにいる誰かがわかってくれていることはとても救いになるのかもしれないと思いました。
最後は、ありがとうって言って旅立てると思ったけど、出てきた言葉はごめんね、でした。大切な人を残して苦労や迷惑をかけることもある…と思ったら、残された時間の中で何が出来るのだろうと改めて考えさせられました。
大切なものは、ただの「もの」じゃなくてその人にとっては誰かとの思い出のあるもの。だから、そこには生きてきた時間も一緒にある。断捨離!終活!と周りの人が一方的にものを片付けてしまうのは、その人の思い出も捨てている事になるのかもしれない…と考えさせられました。
今まで多くの方を見送って来ましたが、その時々で気持ちを整理する時間も無く仕事をしてきたように思います。こうしてゆっくりと振り返って誰かと話せる事はとても大切だと感じました。自分自身が死んでいくことよりも、自分が居なくなった後に残される大切な人達のことばかりを考えている自分にも気付きました。
自分の経験したことのない死を前にした苦しみを抱えている人に、どのような言葉を掛けたらいいのかといつも考えていました。どのような言葉もどこか上滑りをしているような気がしていて。本当に自分がその時その立場に置かれたら、何を語るのだろうか…。その時に自分の話を聞いてほしい人が傍にいてくれることも、救いなのかもしれません。
今まで臨床の場では薬をどう使うか、副作用はどうなのか、バイタルはどうか、治療経過は順調か…ということばかり気にしていたけれど、ワークの中で主人公と自分が重なり合って「こんな気持ちで患者さんは過ごしていたのかな…」と振り返ることにつながりました。
死が訪れることは決して絶望だけではなく、先に旅立った大切な人との再会の機会でもあると感じました。
未完了の想いを抱えている心の辛さが、肉体的苦痛を強めることもある。最期に残す言葉は「ありがとう」もとても素敵で大切な言葉だけれど、誰かを許す・誰かに許させるということもとても大切なことだと思いました。
自分が人生の終わりに向かって大切なものがなくなっていく体験を通して、亡くなった親の気持ちを疑似体験し、想いを馳せることができました。「こんな感じだったのかな」「気丈に振る舞っていたけど、辛かっただろうな…」と、自分にとって家族がいかに大切な存在かを改めて認識できました。

「生きる」とは何なのか?
「死」は不幸なことや悲しいことなのか?

「人生の卒業旅行」が届けるのは、生と死を見つめ直す、優しい「問い」や「きっかけ」となる時間。自分の人生や死について改めて考える時間は、気づけなくなっていたことへ改めて目を向ける機会、新しい発見や気づきへと一人ひとりを誘っていきます。

医療・介護に携わっていると、普段から病気や死を身近で見ているからこそ、誰かの死が当たり前になってしまいがちです。それが、自分や他人の死について改めて振り返り自問自答することで、「死は必ずしも不幸なことではないのかもしれない」「別れは悲しいことばかりではない」と、過去・現在・これからの未来を生きる自分と誰かの心を癒すことにつながっていくようです。

「人生を卒業する」
その特別な体験を通して、自分にも他人にも少しずつ、優しさや思いやりの輪が広がっていきますように…。

===

ホウカンTOKYO杉並・中野では2021年も引き続き、様々なテーマで勉強会やワークショップを開催していきます。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

(※手指衛生、アルコール消毒、マスク着用、アクリル板の設置、少人数での開催、など感染対策を徹底して開催しています)

===

主催:ホウカンTOKYO杉並・中野(事業所名:ホウカンTOKYO本部)

■連絡先
TEL:03-5913-7299
FAX:050-3156-2824

■所在地
〒166-0012 東京都杉並区和田3-32-9
(丸ノ内線 東高円寺駅より徒歩約3分)

■Webサイト
https://hokantokyo.jp


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?