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ホウカンTOKYO看護師による日本うつ病学会発表レポート

弊社ホウカンTOKYO本部(運営:ハノン・ケアシステム株式会社)教育・研究企画部部長の田嶋が【第19回日本うつ病学会総会・第5回日本うつ病リワーク協会年次大会 うつ大会企画シンポジウム「看護における自殺予防」】にシンポジストとして参加しました。

 今回の学会は、現地(大分)とオンラインのハイブリッド形式での開催となりました。 シンポジウムでは、精神科病院、総合病院、周産期、訪問看護、地域における自殺予防についての発表があり、発表後に総合討論を行いました。

精神科訪問看護においては、自殺予防は重要な課題であると同時に、防ぐことが難しい課題です。田嶋の発表では、最初に精神科訪問看護の現場での自殺の実情に触れ、「自殺リスクアセスメント」「信頼関係の構築」「自殺行動の振り返り」「クライシスプランの作成」「ストレングスアセスメント・アプローチ」をどのように行っているかを説明いたしました。また、身近な方への間接的ケアや、地域包括システムの中で関連機関と連携し、様々な社会的要因にアプローチすることについてもお話をいたしました。地域での資源を活用することで、日々の生活を整え、自殺行動に至る要因を減らし、生きる力を促進していくことが精神疾患をもつ方の自殺予防につながっていくと考えられます。

今回のシンポジウムの中では、「孤独」「孤立」というキーワードが多く聞かれました。「孤独」「孤立」は重要な自殺要因の一つでありながらも、自分から相談する等のSOSを発信しにくいものでもあります。お話を伺う中で、人とのつながりが希薄な現代の社会課題でもあることが改めて浮き彫りとなりました。また、既遂自殺者の20%から70%に身体疾患の関与が報告されていること、高齢者の自殺率も高いことからも、精神疾患に限らず身体疾患の訪問看護においても自殺予防を講じていく必要性を感じました。

シンポジウム終了後、各々の領域(総合病院、精神科病院、訪問看護、周産期、地域)連携をスムーズにするためにはどのようなシステムが必要なのか等々についてインフォーマルな場ではありましたが先生方とディスカッションをする機会がありました。今後、地域において自殺予防をどのように行っていくのか、自殺未遂後のケアをどのように連携して行っていくのか等、社会のシステム構築も含めて考えていきたい課題となりました。

ホウカンTOKYOでは精神科訪問看護にも取り組んでいます。

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