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定量評価と定性評価で視えないもの 〜これからの評価指標(感情評価)〜

HOKAGO.comのATSUMIです。

今回は、同僚(EizaxAizar)と話をしていて言語化できそうなきっかけをいただいたので、普段考えている・実施している感情評価という第3の評価軸を記事にしていきたいと思います。
先に予防線を張っておきますと。。非常に抽象的でふんわりしています(笑)

はじめに

普段モノゴトを評価する指標として、定量評価定性評価というものをよく使うと思います。目標管理や人事評価などをはじめとして多くの方はこの評価指標の片方、または両方をで評価をされているのではないでしょうか。

おさらいで少し補足します。

定量評価とは
数値を基にした評価のこと
例えば、
 売上げが10%上がった
 新規顧客を10件獲得した
 Webサイトのアクセス数が500件増加した
のように具体的な数字で表すことができるものです。
定量評価を用いると、過去の実績と比較できるため、説得力が増し、評価がしやすくなります。
定性評価とは
数値で表現することができない評価のこと
例えば、
 いつも真面目に働いている
 後輩の面倒見がよく慕われている
 社外活動に積極的に取り組んでいる
 お客様に言われたことをスピーディーに取り組む
のように数値化はできないその人の特徴(長所)です。
人事評価などでは、スピード性・創意工夫性・知識・規律性・積極性などが数値化できないものを評価する際に用いられます。

組織ブランディング(インナーブランディング)では

ここで、私が組織のブランディング(インナーブランディング)のプロセスのお話。。

インナーブランディングのプロセス
①組織トップへのヒアリング
②組織メンバーへのヒアリング
③トップのメッセージとメンバーの声を踏まえて何を実施するか企画および計画
④計画の執行(PMO的なポジションや実行メンバーの両面で参画)
⑤定期的に見直し・フィードバック

ここまではブランディングでなくても、コンサルディングを実施する際によくあるプロセスです。

次に、企画・計画時に考える評価指標。。

評価指標
①課題に対する効果はどれくらいか(短期的・長期的の両面で)
②継続性はあるか
③組織内の人がどのような感情になるか、どのように感情が動くか

評価指標①:課題に対する効果はどれくらいか(短期的・長期的の両面で)

ヒアリングから得られた課題の重要度や優先度などをを評価します。
その上で、どのような取り組みが効果的か、達成するとどのような状態になっているかを整理し、企画に落とし込み、実行計画を立てます。
その際に短期的・長期的な視点で、KPI・KGIを設定していきます。
柔軟性を持たせるためにも計画の時点で、KPI・KGIを見直しするプロセスも入れ込みます。
(柔軟性を持たせることに心理的安全性があり、承認を得やすくなるといった効果もあります)

評価指標②:継続性はあるか

組織のエンゲージをために単発のイベントは効果的です。イベントなどお祭り的な催しを開催するれば、空気感や臨場感で比較的簡単に気持ちを高揚させることができます。

ただ、お祭り的な催しは、達成感から喪失感に切り替わるのがものすごく簡単です。
特に普段から気持ちが上がっていない人は、気持ちが冷めるのも早い傾向にあります。
一番巻き込みたいのは普段から気持ちが上がっていない人なので、逆効果になる可能性があります。
(たった一回でも「僕・私はやったし」的な達成感を与えてしまうため)

そのため、そこまで心理的・時間的・体力的負担がかからず、継続しやすく、目標達成ができる施策を考える必要があります。
組織メンバーの特性を見定めて、心理的・時間的・体力的負担と達成感や継続性のバランスを考えていきます

ここまでもよくありがちなプロセスだと思います。
①②の定量評価指標や定性評価指標を比較的設定しやすく、計画を立てやすいです。
ただ、これでは本当に組織やそのメンバーを理解した施策になりにくいと考えています。「組織やそのメンバーを心から良くしたい」という想いがなくてもできるからです。

次に、私がこの①②を実施する際に行う感情評価についてです。

評価指標③:組織内の人がどのような感情になるか、どのように感情が動くか

感情評価」という言葉は2019年11月28日にふと思いつきで名付けました(笑)

感情評価とは
一つの事象を行うまたは考える時に誰がどのような感情になるか同調する、つまりその人に成り切って考えていくということ。
例えば、ヒアリングをしている時に個々の意見を聞くだけではなく、感情を聴いていく。

組織に対する愚痴や不満はあって然るべきだと思いますが、特定の個人を攻撃する場合もあります。その負の感情は同調し増幅・循環するため、それを断つ必要があります。
なので、企画の際にその人に成り切ってどういった感情変化を及ぼすか自分の中でイメージ・シミュレーションしていきます。どういった状況から負の感情が生まれ、何が原因か同調して考えていくわけです。

この方法を用いると、メンバーの感情に同調するため、企画時にはすごく怒ったり、涙が流れたりするくらい成り切って作業をしています。
(人前ではできないことが多いです。。。)

評価方法は非常に曖昧かつ感覚的ですが、組織やメンバーがどういう気持ちになるか、それを設定してその場の空気感や波長の変化を感じることで評価をしていきます。
執務室などのその部屋でどのような会話がなされているかではなく、どのような波長で会話がされているかということを感じていきます。

非常に面白いのは、通常波長が重なると2倍になるものですが、感情の波長は3倍にもそれ以上にも増幅することがあります。
感情評価に基づいた企画・計画にはそういった期待以上のヤバい状態を作る効果があります。
(①②のプロセスで論理性は作れるので、それに感情を乗せていくというイメージです。)

もう少しわかりやすく??

UX(ユーザーエクスペリアンス)と比較して考えてみたいと思います。
UXとは想定されるユーザー(ペルソナ)を設定して、そのユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験という視点で製品やサービスを設計していく手法として定着しつつありますが、「想定」ということに大きな違いがいあります。
UXはあくまで「想定」であり、仮説検証を繰り返すことでユーザーまたは製品サービスの解像度を上げていく手法として有効ですが、感情評価では、「リアル」が重要であり「想定」では感情移入ができません。
感情移入・同調という手法で仮説検証(脳内シミュレーション)をしていきます。

なぜ、「想定」ではいけないのかというと、今既にある何かに対して手を打つからです。組織やそのメンバーは生物(ナマモノ)です。
定量的または定性的な渇いた評価指標では(やらされ感で)ヒトは動いても感情は動きません。
効果がある取り組みでないと感情が動くことはないですし、継続性のある取り組みをしていくには、感情が伴う必要があります。
このバランスを考えていく際に感情評価というものが必然になってきます。

今回はこのあたりで。。ご覧いただきありがとうございました。
HOKAGO.com 共同設立者/CBO ATSUMI

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