見出し画像

保育士配置問題についての私的見解➀0歳編

保育園での虐待事件を受けて保育士の配置問題も話題になっていますね。保育園で働いている立場から配置について考えていきます。


厚生労働省の最低基準は

0歳…保育士1人で子ども3人
1~2歳…保育士1人で子ども6人
3歳…保育士1人で子ども20人
4歳以上…保育士1人で子ども30人

です。これは昭和44年からほとんど変わっていないのだそうで驚きです。他国と比べても手薄な配置だそうです。

上記基準に、自治体独自で上乗せしていたり、保育所の規模や、朝夕などの時間帯によっても細則がありますが、ひとまず最低基準に沿って話していきます。

まずは0歳

この年齢の子どもたちは月齢によって(もちろん個人差によっても)全く動きや生活リズム、食べるものまで違います。
特に4月はその差が顕著です。産明け保育をしている園では2ヶ月の子どもの入所もありえます。そうなると、ひたすら寝たり起きたりしつつ時間ごとにミルクのみ、、の生活です。6ヶ月が一番小さいお子さんという場合でも、まだまだ寝返りをして、おすわりも安定しない状態です。一方、4月生まれで0歳児クラスに入った子は入園して数日で1歳。発達が早いお子さんですと靴を履いて歩ける子もいます。適切な活動、関わりが違うのは当然ですよね。寝たり起きたりしている子を5分ごとにブレスチェックする保育士がいて、眠いと泣く別の子を抱っこやおんぶする保育士もいて、そんな中、食事の支度してミルクを作る。その間オムツ替えもあります。歩いている子の、安全を確保しながら興味のあるおもちゃを見つけたり歌を歌ったり、、やることは無限です。頭の片隅では「今の可愛い仕草を連絡ノートに書こう」「あんなことができるようになってる!保育日誌に記入しよう」なども考えつつ。ミルクの時間も飲む人数が多いと、ひとりひとりゆったり飲ませてあげるには人手が必要です。ミルクを作る、飲ませる、ゲップさせる、とそれなりに時間的にかかるのです。子どもによっては休み休み飲むこもいます。声をかけてもらいたくてニヤッと笑ったり、くるくる体勢を変えながら飲んだり、乳首を噛んで遊び始めたり、、とにかく色んな子がいます。それがたまらなく可愛いのですが一人ひとりのその姿にしっかり応答するには人手が必要ということになります。

というわけで、4月は3人では保育士が休憩をしっかりとることは難しいですし、結構なてんてこ舞い状態です。勿論保育の現場ではそれは分かっていることなので、春はフリー保育士、主任、園長総出でフォローすることもあります。


これが秋をすぎると状況はかわります。ミルクを飲む子がほとんどいなくなり、食事もそろってきます。午前中に眠る子も少しずつ減り、午後にまとまってお昼寝できるようになります。
日々成長し体力もついていきますし、園で日々過ごすことで生活のリズムができてくるのです。こうなってくると保育士3人で8人くらいのお子さんの保育は随分やりやすくなるのです。(それでも決して楽ちんというわけではありません)

産まれてから1年も経たない子どもたち。初めての社会デビューですもの。温かく限りなく応答的に接してあげたいです。手厚すぎて困ることは1つもない年齢です。

というわけで、私の見解。。0歳は特に前半、しっかり手厚く配置されると望ましい保育ができます。園全体にフリー保育士を多めに配置できれば〇歳児クラスのフォロー体制が整うのかなと思います。後半は地域の育児支援に回るなどしてもいいでしょうし、休暇の取りやすい職場にもなると思いますし、研修なども人に余裕があれば積極的に参加できます。最低基準でなくゆとりある配置できれば保育の質は向上すると思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?