寝る前の子どもはなぜあんなにハイテンションなの?理由を解説します!
寝る前の子どもがハイテンションになるという事ありませんか?
せっかく寝かけていたのに、急に起き上がって歌いだしたり、踊りだしたり…。
「もー!早く寝てよー!」とついついイライラしてしまいます。
しかし、子どもが寝る前にハイテンションになるのは理由があります。
今回は子どもの睡眠のメカニズムについて、わかりやすく解説します。
メカニズムを知っておくと、子どもにイライラする機会も減るかもしれません。一緒に学びましょう!
人が眠る時の仕組み
人間が眠るときは2つの仕組みが関係しています。
レム睡眠/ノンレム睡眠と睡眠周期
交感神経と副交感神経
それぞれ、わかりやすく解説していきます。
1.レム睡眠とノンレム睡眠が切り替わる周期が「睡眠周期」
人間は生まれた時から、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。
レム睡眠⇒眠りの浅い睡眠
ノンレム睡眠⇒眠りの深い睡眠
レム睡眠とノンレム睡眠に切り替わる周期を睡眠周期と呼びます。
生まれたての赤ちゃんはこの睡眠周期がまだ安定しておらず、まばらに切り替わります。徐々に成長していくにつれて、切り替わりの周期が安定していきます。
ただ、子どもの睡眠特徴は大人と異なります。
新生児期〜乳児期の睡眠は大人の睡眠とは異なり、ノンレム睡眠やレム睡眠はまだ現れておらず、それらの原型となる動睡眠、静睡眠、不定睡眠からなります。
動睡眠⇒レム睡眠に近い状態
静睡眠⇒ノンレム睡眠に近い状態
不定睡眠⇒どちらにも属さない状態
あれ?さっきとどう違うの?と思われるかもしれませんが、ちゃんと違いはあります。
新生児~乳幼児期の子どもの特徴として、睡眠周期が40〜60分と大人よりも短く、3〜4時間ごとに目覚めと眠りを繰り返します。
レム睡眠の原型となる動睡眠は眠りが浅くなり、動き回ったり、軽く目を覚ましたり、泣き声をあげたりします。
この段階で大人が過半ば強制的に寝かしつけようとすると、自ら睡眠に戻ることが難しくなると言われています。
2.交感神経と副交感神経
睡眠には自律神経が大きく関わってきます。
自律神経とは?
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、どちらか片方が優位になることで、人の体調は変わってきます。
交感神経が優位のとき⇒活動しているとき、緊張しているとき、ストレスがあるときなど
副交感神経が優位のとき⇒リラックスしているとき、休息しているとき、寝ているときなど
交感神経と副交感神経はそれぞれがアクセルとブレーキのような役割を担っています。
これらは自分の意志で切り替えることは難しく、環境や活動によって、どちらかが少しずつ優位になります。
睡眠をとるときは、もちろん副交感神経が優位になったときです。
子どもが寝る前にハイテンションになる理由
これらの事を踏まえると、子どもが寝る前にハイテンションになるのには2つの理由があります。
守られている安心感を得るため
リラックスするための儀式
1.守られている安心感を得るため
子どもにとって眠りに入るということは、大人との別れを意味します。
先を見通すことが難しい子どもは、寝て起きたあとに保護者が近くにいてくれるかどうかまだ見通すことはできません。
そのため。別れの前は寂しくなったり、不安になったり…おしゃべりをしたり、動き回ったり、いわゆるハイテンションな状態になります。ハイテンションになった時に大人に気持ちを受け止めてもらうことで、「守られている」という安心感を得られます。それも見越したうえで、ハイテンションになっていると言えます。
2.リラックスするための儀式
一度自分の体をハイテンションな状態にすることで、交感神経を優位にさせます。その後、ふっと落ち着くと…副交感神経が優位となり、リラックスした状態となり、入眠しやすくなります。
効率は悪い…と思うかもしれませんが、ハイテンションになるのは子どもなりに寝るための準備をしているとも言えるかもしれませんね。
ハイテンションな状態をどうすればいい?
さて、これまで人間が眠りにつくまでの仕組みや子どもがハイテンションになる理由を解説してきました。
子どもがハイテンションになるのはある程度仕方がないとは言え…静かに入眠できるような取り組みはあるのでしょうか?
オススメは以下の2点です。
入眠までの環境や活動を見直す。
大人の関わり方を見直す
1.入眠までの環境や活動を見直す。
大人のペースでいきなり「もう寝るよ!」と言われても、子どもには切り替えが難しいですし、自立神経は自分で操作することはできません。
そのため、副交感神経が優位になるよう、環境や活動に少しずつ働きかけていくと良いでしょう。
遊びをパズルや絵本など、寝る前の遊びを落ち着いておこなえるものにする。
交感神経が活発になるスマートフォン・カメラ・テレビ・タブレットの使用を避ける。
蛍光灯やLEDのような昼白色から、間接照明のような電球色に切り替え、リラックスできる空間を作る。
関わりだけではなく、環境からアプローチするだけで、少しずつ副交感神経が優位になっていくでしょう。
2.大人の関わり方を見直す
繰り返しになりますが、交感神経と副交感神経の関係は自分では切り替えができません。勝手に切り替わるのです。
つまり、大人が寝かせよう!と意識しすぎてしまうと、緊張が子どもにも伝わり、交感神経が優位になってしまいます。
子どもも寝るための準備をしているんだ、という意識を大人が持っているだけで、一緒にリラックスしていると改善されるかもしれません。
まとめ
子どもの睡眠特徴は大人と異なります。
動睡眠⇒レム睡眠に近い状態
静睡眠⇒ノンレム睡眠に近い状態
不定睡眠⇒どちらにも属さない状態
交感神経と副交感神経がアクセルとブレーキの役割を果たしています。
交感神経が優位のとき⇒活動しているとき、緊張しているとき、ストレスがあるときなど
副交感神経が優位のとき⇒リラックスしているとき、休息しているとき、寝ているときなど
子どもが寝る前にハイテンションになる理由は2つあります。
守られている安心感を得るため
リラックスするための儀式
ハイテンションになってしまわないようにできること2つ。
入眠までの環境や活動を見直す
大人の関わり方を見直す
以上です。
睡眠は子どもの育ちにとって重要な役割を果たしています。
大人が理解を得ることで、お互いが気持ちよく眠る事ができるかもしれません。ぜひ、試してみてください。
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