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相手にイライラしない教え方のコツ

皆さんは他人になにかを教えている時にイラッ!とする事はありますか?おそらく、教える側の人は多かれ少なかれ、経験した事があると思います。基本的にイライラした時には我慢をしなければいけないのは教える側なので、ストレスも溜まりますよね。

また、新人にイライラしてしまう自分に嫌気がさしてしまう…なんて方もいるのではないでしょうか?人間ですので、相手に対してイライラしてしまうのは、仕方がありません。

しかし、見方を変えたり、知識を学ぶことで、イライラしてしまうのを軽減することもできます。今回は、なぜ人に教えている時にイライラとしてしまうのか、原因と対処方を解説します。

新人や部下の指導だけではなく、お子さんへの指導にも使える知識ですので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

園長コマツ
とある私立認可保育所の園長です。 子どもや保護者、職員みんなが活き活きと暮らせる保育園へ向けて悩みながら改革中。 自分の取り組みや学びをNoteを通して発信します。 プライベートでは二児の父。 好物はハンバーグ。

相手にイライラする理由は「価値観のズレ」

アンガーマネジメント(怒りをコントロールする技術)の第一人者、安藤俊介さんは著書『もう怒りで失敗しない! アンガーマネジメント見るだけノート』の中で、このように語っています。

人は自分のなかに「~すべき」といった「ゆずれない価値観」のようなものを持ち、それに相反するものと直面したときに怒りが生まれるからです。(中略)これは、その人自身が「怒る」を選択していると言えます。「誰か」や「何か」に怒らされているのではなく、「自分が」怒りを選んでいるということに気がつくと、怒りをコントロールしやすくなります。

『もう怒りで失敗しない! アンガーマネジメント見るだけノート』(著)安藤俊介:宝島社
『もう怒りで失敗しない! アンガーマネジメント見るだけノート』安藤 俊介(著):宝島社

安藤俊介さんによると”怒り”は「他人」や「できごと」ではなく、自分自身の中にあるそうです。

例えば、友人と一緒にレストランに行き、注文した料理の提供が遅かったとします。ある人にとっては「お店で客を待たせるなんて……信じられない!」と感じる人もいれば、「お客さんがいっぱいだし、友人と話す時間が増えたと思おう」と感じる人もいます。この場合、「料理の提供が遅くなったこと」の出来事そのものは変わりません。それに対してイライラするかどうかを選んでいるのは、その人自身と言えるでしょう。

このように、人が怒りを感じるのは他人や出来事と自分の価値観にズレが発生した時に起こります。自分の価値観と他人の価値観がズレればズレるほど、イライラしてしまいます。

こちらが教えなければいけない立場であれば、なおさらのことです。さて、そのような時、どのような対応をすればいいでしょう?

相手のタイプを分類してみよう

相手に対するイライラをなくすためには、相手との価値観のズレを修正することが大切です。相手の事をキチンと分析した上で、教える事をしないと、自分との価値観とズレてしまう。そこからイライラに発展してしまうのです。まずは自分や相手を分析する事から始めてみましょう。

自分や相手の分析をする考え方の1つとして「SPトランプ」というものがあります。SPトランプとは教育人材コンサルタントの八尾芳樹さんが考えた、人間の分析方法の考え方です。自分のタイプと教える相手のタイプ(性格)を大まかに分類します。その分析から、その人に合った教え方を実践する、というものです。

詳しく分析をすると記事にはおさまらないので、今回は簡略化してご説明します。

SPトランプの4つの分類ステップ①「能動的」か「受動的」か

まずはその人の普段の言動が「能動的」か「受動的」かを考えます。教える相手に以下のような特徴が見られるかどうか、判別してください。

【能動的】
・自分から話しかけてくる。
・自分の意見を主張する。
・自分で判断し、動くことができる。

【受動的】
・聞き役に回る事が多い。
・自分からは意見は言わない。
・指示を待ってから動く。

SPトランプの4つの分類ステップ②「感覚的」か「論理的」か

続いては、相手が感覚を重視するタイプか論理性を重視するタイプかを分類します。以下の特徴のどちらが当てはまるか、考えてみてください。

感覚的
・感情表現が豊か
・直観で物事を判断する
・主観で話すことが多い。

論理的
・感情を出すのが控えめ。
・感情よりデータや客観的事実で判断する。
・客観的に自分や相手を見ている事が多い。

相手のタイプに合った教え方をしよう!

ざっくりとですが、これまで自分のタイプや教える相手のタイプを分析しました。4つのタイプを表にすると、以下のようになります。

(画像:SPトランプブログ©2001エンパワーメントカウンセリング研究所より)

左右が能動的・受動的、上下が感覚的・論理的となります。皆さんや、皆さんが教えるタイプはどこに分類されたでしょうか?

私は受動的・論理的ですので、クローバーでした。

この表から相手がどのタイプに分類されます。ここから相手の学習傾向と自分の指導傾向を把握することが大事です。例えば、ハート型(能動的・感覚的)の人にクローバー(受動的・論理的)の教え方をしては、かなり効率が悪いと言えます。

効率が悪い教え方をすると、価値観のズレから教えている最中にイラッ!とするわけです。

4つのタイプの学習方法と指導傾向

それでは、それぞれのタイプにどんな学習傾向(学びの傾向)があるのか、どんな指導傾向(教え方の傾向)があるのかを確認してみましょう。

ハート

(学習傾向)
・自分で体験することを望む。
・少しの経験で全体がわかった気になる。
・感覚的に学ぶ。
・あまり細かく指導されるのを好まない。

(指導傾向)
・実践(体験)重視。
・細かい指導は行わない。

ダイヤ

(学習傾向)
・誰かと一緒に学ぶことを望む。
・勉強より体験する方が合っている。
・親切丁寧に指導されることを望む。

(指導傾向)
・体験を重視し、感覚的
・細かく指導する。

クラブ

(学習傾向)
・論理的体系的に学ぶ。
・納得するまで時間がかかる。
・専門家から学ぶことを望む。
・学習課題はリスクの少ないものを選ぶ。

(指導傾向)
・論理的体系的に教える。
・細かく指導し、説明が長い。

スペード

(学習傾向)
・学ぶ目的や目標を明確にする。
・論理的体系的に学ぶ。
・自発的に学ぶ。
・あまり細かく指導されることを好まない。

(指導傾向)
・論理的に指導しようとする。
・細かい指導は行わない。

いかがでしょうか?自分の指導傾向を把握し、相手の学習傾向を知る、そうすることで相手の価値観に沿って指導することができるようになります。そうして価値観のズレを認識しながら、指導していくことで、イライラを回避することができるでしょう。

今回、記事の中で紹介したSPトランプ分析はあくまで簡易版です。もっと詳しく学びたい方はコチラの書籍がオススメです。より詳しく相手を分析する方法や、効果的な指導方法が記載されています。ぜひ、ご覧ください。

ビジネスパーソン52の人格 サブ・パーソナリティ

『ビジネスパーソン52の人格 サブ・パーソナリティ』八尾 芳樹 (著): セルバ出版

まとめ

・怒りは人や出来事に怒らされているのではなく、怒りを自分で選択している。
・指導する相手にイライラしてしまうのは、「自分の価値観と相手の価値観のズレ」にある。
・自分や相手を分析することで、価値観のズレを修正することができる。
・分類方法→SPトランプ分析(能動/受動、論理的/感覚的で分類し、それぞれに合った指導傾向や学習傾向を把握する)

参考になれば幸いです。ぜひ、試してみてください!


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