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考えごと日記その8 「サピエンス全史から、資本主義の暴走を考える」

「サピエンス全史」の下巻がヤバい。一節一節がとにかくヤバくて、なかなか読み進められないのだ。いままで知らなかったことを知れたかと思うと、そこからさらに疑問が増幅していくので、いちいちあれこれと調べながら読んでいる。

本書によると、資本主義の強欲ぶりに歯止めがかかったのは共産主義の存在が大きかったという。いや〜、その発想はボクにはなかったな〜。これまでのボクの考えとしては、ソ連や中国の共産主義化は人類史上最大規模の人為的な飢餓を生んだわけだから、共産主義なんてものは完全否定だった。ところがだ。1945年までの資本主義も、考え方によってはヤバかったのだ。つまり帝国主義の時代だ。

スペインはアステカ族の9割(1000万人)を虐殺して、アステカ帝国を植民地化した。ベルギーはコンゴの原住民の2〜3割(600万〜1000万人)を虐殺して植民地化した。イギリスは中国(清)国民の1割(4000万人)をアヘン中毒にして政治経済をガタガタにし、半植民地化した。本書にはくわしくは述べてないが、アメリカの植民地時代もまた凄惨きわまる話がありそうだ。(←これは後日調べてみたい)また西欧諸国はアフリカの原住民を奴隷として、世界中の植民地へ送りこんだ(1250万人以上)。つまり奴隷貿易だ。

これらはまだまだ氷山の一角で、この時代は帝国主義によって、世界中のいたるところで大量の人間が虐殺されたのだ。そして20世紀にはいると資本主義は二度の世界大戦を引きおこし、ついに広島・長崎に原爆を落とすことになる。それはこれ以上突きすすむと人類滅亡を予感させるには十分のものだった。まさに「資本主義の暴走」だ。(←ボクの造語)

そこに歯止めをかけたのがソ連の社会(共産)主義だという。米ソの冷戦をみるように、ソ連の台頭が資本主義の暴走に歯止めをかけたのだという。するとソ連崩壊後の現在、資本主義の暴走を阻止してるのは中国だろうか。

現在の中国は共産主義ではないが、共産党独裁政権の資本主義国家だ。西側諸国の資本主義とは性質が違う。現在は中国とロシアの存在が、資本主義の暴走を阻止しているという考え方もあるということだろうか。野党の存在が、与党の暴走を阻止しているという政治の仕組みのように。

ともあれ、ボクはこれまで20世紀のソ連や中国の共産主義化を完全否定してきた。ところが資本主義もまた19世紀から20世紀にかけて、大量の人間を貧困へ追いやり、大量の人間を奴隷化し、大量の人間を虐殺した歴史があるのだ。

まあなんだろ、結局どっちもどっちなんだろうかという気持ちにはなるのだが、しかし一点、異なる点がある。共産主義は多くの人間の犠牲があったにもかかわらず、経済の発展はないどころか衰退した。いっぽうで資本主義は、多くの人間の犠牲のもとで、われわれに経済の発展をうながしたのだ。

いやはや、じつにおもしろい。本書はおそらくボクのような、ド素人だけど人類の歴史に興味がある人がもっとも楽しめるのでは。専門用語などが少なく、内容も噛みくだかれててわかりやすいからだ。とはいえ、多少は本に読み慣れてる必要があるだろう。内容が学術的であることには変わりはないからだ。

ワイはいったい本書をいつ読み終えるんだろか……💦


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