歩兵の日記帖 やぁ暗闇よ、僕の古い友達よ
久しぶりに創作らしきもの行っている。
僕は昔バンドをやっていて、曲を書いていた。
勿論全然評価されなかった。
いま考えれば、「歌と演奏が下手で、曲も良くないから。」
と言う至極真っ当な理由がよくわかるのだが、その頃の僕は毎日歯軋りしながら過ごしていた。
なんでこんなバンドが評価されるんだ。
なんでこんなバンドがインディーから音源出してんだ。
俺の方が優れているのに。
俺の方がいい音楽を作っているのに。
当時素人バンドが持てるメディアと言えば、簡単なHTMLを組んで作るチャチなHPだけ。(集客を表すカウンターがついていて、「あなたは○○番目の来場者です!」とか表示される)
そのアクセス数を毎日睨み、集客の伸びないライブを続ける。
どうして日常は糞のまま昨日と変わらず続いていくのか。
毎日そう思っていた。
結婚したり、子供が産まれたり、メンバーが外国へ行ったり、転勤したり。
色んな事情でバンドが続けられなくなっても、その歯軋りだけは暫く続いた。
俺は本当はもっと面白いものを創れる。
俺はいつかとてつもないものを創れる。
そしてある日、途切れた。
やめた。つまんね。
そもそも俺何がしたかったんだっけ。
そうして訪れた歯軋りをしない日々が、すごく楽だったかと言えば
そんなことは無く、人生はいつでもそれなりに大変だった。
そして時は流れ、誰に求められた訳でもないのに、
気まぐれに小説を書き始めた。
毎日アクセス数を確認し、スキやフォローに一喜一憂する日々
がまた始まる。
そうするとやってくるんですよ
暗闇が。古い友達が。
スキが一つ増えたからどうなんの?
フォローが一人増えるとなんか得すんの?
いい歳こいてなにやってんの?
やっぱ誰も読んでないし。
そもそも素人が小説書いてどうすんの?
僕は急にどうでも良くなって、投稿を全部削除したくなる。
でも昔を思い出し。踏みとどまる。
多かれ少なかれそんな葛藤を抱えてnoteに投稿している方もいるのではないでしょうか。そんな人たちを見ながら、僕は今日も踏みとどまっている。
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