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私が「ギャルゲ塗り」から「厚塗り」に落ち着いた話

長々と昔話をするわよ。

ペンタブで初めてイラストを描いたのは小学6年生のころ。

今では絵の描き方なんて調べれば色んな方が紹介してくれているし動画で手とり足取り丁寧に教えてくれている方もいる。とんでもなくいい時代になった。

当時はまだTwitterやPixivなどの交流の場がなく、お絵かき掲示板に投稿されたすんごい上手い人のホームページに行っては、その人のリンク集からまたすんごい上手い人のホームページに飛んで…とお気に入りの絵描きさんを見つける日々。

そこで色んな人のお絵かき講座を見つけ、パソコンで絵を描く知識を積み上げていった。
当時のイラストを描く時の流れは大体こんな感じ↓

・下書き
・線画(アナログ)
・スキャナで取り込んだ線画を整える(ゴミ取り等)
・塗りのパーツを分ける
・描き込む
・完成

今も同じような手順で描いてる人も多いと思う。

私は、いわゆるギャルゲ塗りと呼ばれる講座を見ていた。当時はこの描き方が正解だ!これ以外存在しないんだ!と、たったひとつの描き方に囚われてしまった。

そして、ある程度大人になって気付いた事がある。

「私線描くの…ヘタすぎ…?」

物心つく頃から絵を描いていたけれども線画を描くのが圧倒的に向いていない。

いや、薄々は感じていた。でもなんかいっぱい描けばそのうち上手くなるんじゃね?と思っていた。一向に上手くなる気配は無かった。

塗りのパーツ分けでバケツツールを使用していたからか、ペン入れの工程になると線と線の隙間を全部閉じなければならない衝動にかられてガチガチの固い絵になってしまう。
そして筆圧がゴリラのように強い。もう線画がすでにダサい。

あと塗るとどうしても線画が馴染まなくて浮いて見える。
↑これが本当にどうしようもなく悩んでいてスランプに入った。


悩みを抱えたまま月日は流れデザイン・イラスト系の専門学生に。

自分以外の人が絵の具を使っている姿なんて美術の授業以外で見ること無かったから衝撃を受けた。みんながみんな、三者三様で思うがままに色んな描き方をしていたのだ。

描き方に決まりって無いんだな。
そこで自分の頭の固さに気付くことができた。


専門学校に入ってしばらくした頃、家で思い切って厚塗りの絵を一枚描いてみることにした。アクリル絵の具で。

学童絵の具では薄い色から濃い色へと塗り進むように教わったから、不透明な絵の具をベタッと付けるのには少し勇気が必要だった。

厚塗りで描くこと自体初めてで、「せっかく描いた下書き消えるやんけ!」と訳も分からず塗り進めた。

けれど先に塗った色が後に塗った色の隙間から見える色の深みや、気に入らなかった部分の修正がしやすい所、装飾品などモノによってはシルエットから描いた方がラクに上手く描ける所…

なにより線画が馴染む所など今まで悩んでいたことがすっかり解決した。(もちろん慣れるまでに少し時間はかかった)(あとついでに画力もアップした気がする。)

この時描いた1枚が私のお絵かき人生を変えたと思う。その後のイラストの授業では全て厚塗りで提出した。


デジタルでも塗り方をじわじわと厚塗りに変えた。今の私の描き方は

・下書き
・下塗り(カラーラフ)
・描き込み(線画+塗りを同時進行)
・完成

線画をすっ飛ばして下書き→塗りに入る事ができるので時短にもなる。面倒くさくてニガテな線画を用意する必要もなくなった。

デジタルだと便利な機能もたくさんあって、なんというか色々とズボラな私にぴったりだ。


ここまで読んでくれた方はいるのだろうか。長々と駄文を読んでくれてありがとう。

結局何が言いたいのかというと。

今の描き方に悩んでいないのなら無理して別の描き方へわざわざ変える必要はないと思うし、何か少しでも違和感があるのなら思い切って別の描き方をしてみると新しい発見があるかもしれない、ということ。

何ごとにも正解はないから、自分のやりやすいよう・やりたいようにやれば良い。柔軟な思考は大切だ。


追記(2021.12.1)

ぼそっとつぶやいた記事が、結構いろんな方に見ていただいたみたようで。
いいねもありがとうございます。

できることならば厚塗りも普通の線画ありの塗り方もできれば最強なのだ!!!!

それだけ。
またね。

風邪ひくなよ。


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